2014年7月29日火曜日

反対の市民団体が記者会見

高架見直しへ考え発表
 反対の市民団体が記者会見
 沼津駅付近鉄道高架事業をめぐる川勝平太知事の「決断」発言に対して、さまざまな受け止め方がされる中、原貨物駅に土地を売らない地権者の会(殿岡利治代表)、郷土を愛する会(西原正通会長)、さわやか沼津2012(松下宗柏代表)の関係者は二十八日(県庁で記者会見し、それぞれの考えを発表した。
 このうち、地権者の会と愛する会は、大要次のような五項目を提示するとともに、地権者の会事務局長の加藤益久さんが県議会への思いについて語った。
 五項目の一は、知事が再三にわたって明言している「自分の任期中には強制収用はしない」という基本姿勢に基づいて知事や県当局者との信頼関係が築かれており、この信頼を裏切らないでほしいというもの。
 次に、貨物駅移転予定地の景観の素晴らしさを指摘しながら、沼津御用邸の「農園」として誉れ高い地であり、貨物駅の移転は貴重な社会資源を破壊することになり反対であること。
 三は、「健康文化タウン」、知事の「グリーン・ヴィレッジ」構想の早期実現には全面的に協力するが、貨物駅と共存することはできないので、移転受け入れを前提とした案に応じることはできないこと。
 四は、「待避線のみならば受け入れる」という譲歩案はギリギリの妥協であり、県当局の誠意ある回答を待っていること。
 最後に、今後とも、知事や県当局との信頼関係を尊重し協議を継続していく考えであること。
 また、加藤事務局長は、六月県議会を傍聴した感想を披瀝。まず、同議会を前に県議六十八人には、高架事業について、県全体の問題として勉強と検証をし慎重審議してもらうように陳情したことを踏まえ傍聴したが、現地調査も沼津市の財政状況も調べないままの質問で、ただ「早期決着」を促すものにすぎず、落胆と情けなさを感じずにはいられなかったという。
 一方、さわやか沼津は、総工費約八百億円、工期十五年という長期大型プロジェクトは現状では不適切であり、事業費も工期も大幅に縮小、貨物駅移転の必要もない「橋上駅と自由通路」、原地区への「健康文化タウン」建設を提案。
 また、大型公共事業は当初の予算通りにいくものではなく、人件費の高騰、工期の延長などにより事業費が何倍にも膨らむため、一沼津市の問題としてだけでなく、県全体のこととして考えるべきであることを指摘。
 さらに、少子高齢化、人口流出の縮小社会に向かう現状に触れながら、沼津市は事業基金が払底し起債に頼らざるを得ないこと、労働人口の減少もあって市民一人当たりの負担が増えるとともに、市民サービスの低下が懸念されることを挙げ、見直しを訴えた。
(沼朝平成26729日号)


 沼津駅高架
 「市民意識把握し判断を」
 見直し求めるグループなど 知事に意見交換提案
 JR沼津駅付近鉄道高架事業に伴う沼津市原地区への貨物駅移転に反対する地権者の会や事業見直しを求めている市民グループ「さわやか沼津2012」のメンバーが28日、県庁で記者会見し、事業を推進する方針を表明した川勝平太知事に対して「市民の意識を把握し、判断をしてほしい」などと要望した。
 知事は25日の定例記者会見で、市民が沼津駅周辺の南北の往来を自由にするには「高架が一番効果的な方法だと考えている」と述べた。原地区に東海道線をまたぐ南北の歩道橋を先行整備し、貨物駅の扱いについてはJR貨物のトップと協議する意向も示した。
 これに対し、メンバーらは「大多数の市民が高架はいらず、(沼津駅の)橋上化などによる南北自由通路を望んでいる」と主張。無作為抽出で選んだ市民50人との意見交換を提案し、「何らかの形で市民の声を確認してほしい」と訴えた。併せて、栗原裕康沼津市長に、市長発議による事業の可否を問う住民投票の実施を求めた。
 また、原地区への歩道橋整備は、貨物駅移転とセットならば認められないとの姿勢をあらためて強調した。
 さわやか沼津の松下宗柏代表は「鉄道高架は沼津を衰退に導く事業。知事は特定の政党や団体の意向に振り回されず、泥をかぶってでも計画を変更してほしい」と話した。

(静新平成26729日朝刊)

2014年7月26日土曜日

沼津鉄道高架、原地区の歩道橋先行設置,知事意向

原地区の歩道橋先行設置
 沼津鉄道高架、知事意向
 JR沼津駅付近鉄道高架事業に関連し、川勝平太知事は25日の定例記者会見で、現計画で貨物駅の移転先となっている沼津市原地区に、東海道線を南北にまたぐ歩道橋を先行して設置する意向を表明した。デザインは8月中に決まるとの見通しも明らかにした。
 知事は、東海道線によって原地区の南北の往来が妨げられていると指摘。歩道橋を「優先して造る」と述べ、平時は富士山を望む展望台、有事の際は津波からの避難場所としての機能を併せ持つ施設とする考えを示した。
 デザインは、沼津駅北口の総合コンベンション施設「プラサ・ヴェルデ」を設計した建築家の長谷川逸子氏と地元住民が話し合いをしていて、「協議がかなりのところまで進んでいる」と説明した。
 知事はこれまでも歩道橋の必要性に言及していて、反対地権者らに貨物駅とセットでの整備を提案してきた。しかし、この日は貨物駅の移転先については「特段の予断を持っていない」と述べ、JR貨物のトップと近い時期に会談し、「まずはじっくりと話をうかがいたい」とした。
 歩道橋は「どちらにしても造らないといけない。住民のために、できるところから手を付ける」と強調し、貨物駅の移転の有無にかかわらず整備を進める方針を示した。
 一方、沼津駅周辺に関しては「南北の自由往来はぜひ、沼津市民のために(実現)しなければならない。そのためには高架が一番効果的な方法だ」と述べた。

(静新平成26年7月26日朝刊)

2014年7月24日木曜日

沼津市長「大きな前進」評価

沼津鉄道高架推進知事"決断"
 市長「大きな前進」評価
 沼津市の栗原裕康市長は23日の定例記者会見で、JR沼津駅付近鉄道高架事業の方向性崔めぐり、川勝平太知事が20日に「決断した」と発言したことについて、「貨物駅を原地区に移転し、鉄道高架を推進する方向性を決断したと理解している」と述べ、「大きな前進」と評価した。
 川勝知事は沼津駅北口の総合コンベンション施設プラサヴェルデのグランドオープン記念式典が開かれた20日、同事業の実施を示唆した。ただ、具体的な事業の進め方については明言を避けた。
 栗原市長は「知事は完全合意形成を目指している。これからクリアしていかなければならない課題はある」と指摘した。貨物駅移転のための用地取得に関しては、「沼津市が責任を持ってやらなければならない。県、市、JR貨物、JR東海、地元地権者との話し合いに積極的に参加していく」と述べた。
 ただ、貨物駅移転用地の反対地権者は土地を売らない姿勢を崩していない。川勝知事はこれまで、強制収用による用地取得に否定的な考えを公言してきたが、20日の報道陣の取材に対しては、強制収用に言及しなかった。
 栗原市長は「知事は明確に方針転換したとは言っていない。私から論評を加えることは控えたい」と述べるにとどめた。

(静新平成26年7月24日朝刊)

2014年7月21日月曜日

沼津鉄道高架実施へ(静新平成26年7月21日記事)

沼津鉄道高架実施へ 
知事、事業推進「決断」
 JR沼津駅付近鉄道高架事業の方向性について、川勝平太知事は20日、「今日をもって基本的に判断材料は全て出て、決断した。しかるべき方向ヘアクションを起こしていく」と述べ、事業を推進する方針を表明した。地権者らが反対している沼津市原地区への貨物駅移転に絡み、従来は否定的だった強制収用での用地取得には言及しなかった。沼津市で開かれた総合コンベンション施設「プラサヴェルデ」のグランドオープン記念式典終了後、記者団の取材に答えた。関連記事27面へ
 強制収用言及せず
 知事は「相手のあること」として決断の中身の具体的な言及は避けた。ただ、推進派は高架化の進展を望み、反対地権者らは貨物駅の代替として原地区での健康文化タウン構想の実現を求めていることを挙げ、「そうしたことが全てかなうようにする」と強調。「この12カ月でキーパーソンに会う。秋に入ったころには全部の方々に説明し終える」とも述べ、反対地権者に加え、JR貨物や市などとの合意形成を図っていく意向を示した。
 また、これまで否定的だった強制収用による貨物駅移転予定地の用地取得に関しては、記者からの質問に対して「決断をしたということが、今の申し上げる全て」と述べるにとどめた。
 事業をめぐり、県が昨秋まで実施した住民参加の合意形成作業パブリック・インボルブメント(PI)で、高架を実施する2案と実施しない2案をまとめた。だが、知事は事業の方向性を明確に打ち出していなかった。
 知事は反対地権者らと個別に会談を重ね、貨物駅移転と健康文化タウン構想に資する施設整備をセットで提案したが、地権者らはこれを拒否。プラサヴェルデ全面開業までにするとしていた合意形成に至っていない。
 具体的な事業進め方示さず
(解説) JR沼津駅付近鉄道高架事業の方向性について、川勝平入知事は「決断した」と強い口調で述べ、貨物駅移転用地の強制収用についても否定しなかった。しかし、反対地権者との合意形成の手法など具体的な事業の進め方は示されず、本格的な工事着手への見通しは立っていない。
 知事はかねてから、高架化に伴う原地区への貨物駅移転や、同地区のJR東海道線をまたぐ歩道橋設置などの私案を、移転用地の反対地権者に示し、決断を促してきた。しかし、地権者は土地を売らない姿勢を今も崩していない。
 2003年の事業着手から10年以上、構想からでは30年近く経過する。地権者に判断を促していても、結論は先延ばしされるだけだ。知事は「腹の中で決まっている」としている方向性を、一刻も早く自分の言葉で分かりやすく説明すべきだ。
(東部総局・豊竹喬)

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反対派「さらなる対話を」
 沼津高架推進へ
 推進派は評価、様子見
 JR沼津駅付近鉄道高架事業をめぐり、川勝平太知事は20日、事業推進の方向へかじを切った。従来にはない「決断した」との強いトーンで、秋までに関係者の合意形成を図る考えを示した。ただ、貨物駅移転予定地の反対地権者らは依然として受け入れ拒否の姿勢を崩さず、溝は深い。知事自身が「連立方程式」と表現した難題をいかに解くか。推進、反対派双方が次の出方を注視する。
 沼津市の栗原裕康市長は知事発言を「今までの考えの延長線上と捉えている」と冷静に受け止めた。沼津駅の高架化を実現する市民の会会長の市川厚沼津商工会議所会頭も「知事に判断を任せる以上見守るしかない。年度末には明確に結論を示してくれるだろう」と様子見の構え。推進派の男性は「知事が反対派と会談を重ねて努力し、地域の実情を把握した中での決断。一歩前進」と評価した上で「今後は事業が推進していることを発信してほしい」と訴えた。
 一方、反対派の男性はこれまでの経緯から「知事は反対地権者に決断を迫っている」と懸念し、「高架するにしてもしないにしても自分の言葉でしっかりと説明するべき」とさらなる対話を求めた。
 知事はこの日、これまで否定的だった強制収用による貨物駅移転予定地の用地取得に関し、言及を避ける場面もあった。原貨物駅に土地を売らない地権者の会の殿岡修会長代行は「強制収用となったら敵として対応する。現時点では真意が分からないが、信頼関係が怪しくなってきた」とくぎを刺した。

静新平成26(2014)721(月曜日)

2014年7月11日金曜日

「腹の中で決めている」沼津鉄道高架方向性で知事

 「腹の中で決めている」
 沼津鉄道高架方向性で知事
 川勝平太知事は10日、JR沼津駅付近鉄道高架事業の方向性について、「腹の中で決めている。現実は私の腹と一緒に動いてくれない。足並みをそろえるのに悪戦苦闘している」と述べ、高架化に伴う沼津市原地区への貨物駅移転に反対している住民との合意形成を目指す姿勢を強調した。同市で開かれた沼津商工会議所90周年記念式典後に、記者団に話した。
 知事は沼津駅北口の総合コンベンション施設プラザヴェルデがオープンする20日までに関係者の合意形成を目指し、反対派住民と会談を重ねてきた。しかし、反対派住民は貨物駅移転を拒否し続け。合意形成の見通しは立っていない。
 知事は、沼津駅付近にある貨物駅移転後の跡地でのサッカーJFLアスルクラロ沼津のホームグラウンド建設、移転先となる原地区での白隠禅師を生かしたまちづくりなどを提案し、「理想と夢に向かって10年で出来上がっているようにしたい」と述べた。

(静新平成26年7月11日朝刊)