2014年10月1日水曜日

貨物駅用地取得へ全力・貨物駅受け入られず

沼津鉄道高架事業

 待避線機能を強調 県議会知事答弁
 県議会9月定例会は30日、代表質問を行い、自民改革会議の鳥沢由克氏(裾野市)とふじのくに県議団の林芳久仁氏(静岡市清水区)が質問した。川勝平太知事は鳥沢氏の質問への答弁で、JR沼津駅付近鉄道高架事業に伴う沼津市原地区への貨物ターミナル整備に関連し、「必要な土地を提供していただけるよう沼津市と共に全力を尽くす」と述べた。
 原地区への貨物ターミナル整備には、地元地権者の中に反対意見がある。知事は「沼津に新ターミナルが整備されていれば、首都圏有事の際に西からの救援物資輸送の拠点として重要な役割を果たすことができる。公益性の高い事業と思い至った」と述べ、整備後も「実態として荷物の上げ降ろし(荷役)は本当に少ない」と待避線としての機能が主であることを強調した。
 原地区での対応として、鉄道で分断された南北の自由往来を確保する立体横断施設を先行整備することを説明。「生活環境への影響には万全の対策を行い、理解をいただけるよう話し合いを続ける」とし、住民の希望を尊重するよう努める考えを示した。
 答弁後の記者団の取材に対し、貨物ターミナル用地の強制収用の可能性については「まずは心合わせが大切」と明言を避け、「(貨物の)上げ降ろしのシステムが整備されることによって、いざという時に人の役に立てることに、地元の方も理解をいただきたい」と述べた。
(静新平成26101日朝刊)


 「貨物駅受け入れられず」
 沼津鉄道高架事業 反対地権者らが会見
 JR沼津駅付近鉄道高架事業に伴う沼津市原地区への貨物駅移転に反対する「原貨物駅に土地を売らない地権者の会」と「郷土を愛する会」は30日、市役所で会見し、川勝平太知事が原地区に整備する方針を示した貨物ターミナルに対して「実質的な貨物駅は受け入れられない。土地は売らない」と強調した。
 会見には各団体の関係者と、9月に知事や難波喬司副知事と会談した原地区の女性5人も出席した。60代の女性は「知事に期待していたのにあまりにも落差のある発言でがっかりした」と話し、30代の女性地権者は「沼津市が膨大な借金を背負うことに反対」と事業見直しを求めた。
 二つの会は29日に「信頼を裏切られた」などとする知事宛ての抗議文を提出した。地権者の会の殿岡修代表代行は知事が防災面から貨物ターミナルの必要性を述べたことに「災害時に必要というなら、今の貨物駅を強化するべき。防災というまやかしの言葉で貨物駅を造ることは許されない」と語気を強めた。
(静新平成26101日朝刊)


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