2015年3月19日木曜日

沼津地価公示概況



駅北側の宅地は安定 沼津
 商業地は24%の下落。JR沼津駅周辺は総合コンベンション施設プラサヴェルデが全面開業したが、「影響は限定的」と不動産業者。「鉄道高架化の完成時期など明確な見通しが分からず、思い切った投資ができない状況が続いている」。一方、郊外のまとまった土地は需要がある。
 住宅地は19%の下落で、沿岸部は依然として動きが鈍い。価格が安定している沼津駅北側の売買事例は北高島町15万円、岡宮11万円など。市西部は東名、新東名高速道のスマートインターチェンジ設置計画などが好材料で、原町中で10万円前後の取引があった。

(静新平成27319日朝刊)

2015年3月17日火曜日

沼津市異動 企画部長に後藤氏

 沼津市異動 企画部長に後藤氏
 昨年上回る規模

 沼津市は16日、41日付の人事異動を内示した。異動は728人で昨年(700)より規模は大きい。部長級の退職者は4人。
 一般行政職のうち、係長級以上の女性職員の登用率は168%で昨年より03ポイント上昇した。
 企画部長には政策企画や広報などの業務に精通している後藤克裕企画部政策企画課長が昇格する。若林直毅企画部長は、政策全般を統括し、調整を図る企画部理事に就く。産業振興部長に産業振興部農林農地課長の経験がある光林治都市計画部計画課長を充て、建設部長には土木建設の現場を幅広く歩んできた木内一元農林農地課長を起用する。
【部長級】企画部理事(企画部長)若林直毅▽生活環境部長(教育委員会事務局教育次長)工藤浩史▽企画部長(企画部政策企画課長)後藤克裕▽産業振興部長(都市計画部計画課長兼中心市街地整備企画室副参事)光林治▽都市計画部参事監兼沼津駅周辺整備事務局長(都市計画部沼津駅周辺整備事務局長)梶茂美▽建設部長(産業振興部農林農地課長兼農業委員会事務局長)木内一元▽監査委員事務局長(市民福祉部福祉事務所長)真野みどり▽教育委員会事務局教育次長(教育委員会事務局教育企画室長)井原正利

(静新平成27317日朝刊)

2015年3月13日金曜日

沼津の鉄道高架事業 用地交渉は難航必至

沼津の鉄道高架事業 用地交渉は難航必至
 具体的な将来像示して

 県と沼津市が、約5年間止まっていたJR沼津駅付近鉄道高架事業の推進に向けて動き出した。高架事業に伴う貨物駅移転の用地となっている同市原地区の土地をめぐって、今後は本格的に反対地権者との交渉に入るが、難航は必至とみられる。県東部の発展のために必要な事業と推進を決めた以上は、速やかに具体的なまちの将来像を示すべきだ。
 鉄道高架事業は20101月、川勝平太知事が推進派、反対派が集まった意見交換会で、見直しに言及したことで事実上、中断した。再び動いたのは147月。知事が沼津駅前に整備された総合コンベンション施設の全面開業記念式典後に、事業の推進を明言した。2カ月後の県議会9月定例会では、原地区に平時は待避機能を主とする最新式貨物ターミナルを整備する考えを述べた。今年1月には難汲喬司副知事と栗原裕康市長が、市民向け説明会で事業推進の決意をあらためて示した。
 今後の焦点は、反対地権者との交渉の行方だ。用地取得率は現在744%。残り47人の地権者から計24㌶の土地を買収する必要がある。市は15年度当初予算案に未買収地の取得費として、前年度比約7千万円増の約15千万円を計上した。2月上旬からは地権者の個別訪問を開始し、用地交渉に入るタイミングをうかがっている。
 ただ、構想から30年近く経過し、市を取り巻く社会情勢は変化した。市の人口減少は深刻で、転出者が転入者を上回る転出超過は13年が全国市町村でワースト6位、14年もワースト7位となっている。市民からは今後の財政状況を懸念する声も上がる。市には事業のメリットや長期の財政計画を丁寧に説明する姿勢が求められる。
 栗原市長は現在の貨物駅と車両基地が移転することで「駅周辺に自由に使える土地が生まれる」と力説するが、具体的な活用案は示されていない。明確なまちの未来図が見えないままでは反対地権者のみならず、多くの市民の理解も得にくいだろう。
 反対地権者は「土地を売らない」という姿勢を崩していない。交渉が難航するのは避けられない。たとえ着工に至っても完成までに長期間を要する。
 鉄道高架だけで約800億円の費用がかかる巨大事業で、その大半は税金が投入される。県東部の将来に影響する問題であるにもかかわらず、市内外で関心が高まっているとは言えないのは、完成の見通しが全く立っていないからではないか。県や市は、まず用地買収の期限や着工時期などを明示した工程表をつくり、公表する必要がある。
(東部総局・田村和資)

(静新平成27313日「解説・主張SHIZUOKA」)