2014年9月14日日曜日

4次総修正で沼津市議会全協

4次総修正で市議会全協
 市当局のまちづくりの考えただす
 市議会は十二日、全員協議会を開き、第4次沼津市総合計画(4次総)の一部修正について当局から報告を受け協議した。修正案では岡宮北土地区画整理事業が進んでいる「北部地区」と、ららぽーと進出計画がある「北西部地区」の二つについて、中心核「沼津駅周辺地区」との間で「公共交通
連携強化」することを図示している。修正案については今月下旬から十月下旬までパブリックコメント(市民意見募集)が行われる。
 新たな地区配置を図示
 文言追加の意味など尋ねる
 全協の冒頭、栗原裕康市長は、第4次沼津市総合計画が平成二十三年度から三十二年度までのものであり、計画策定後に起き
た東日本大震災の被害を考慮した津波対策などが計画に盛り込まれていない点を指摘。
 また、西武百貨店の撤退や、予定されたものではあったがプラサヴェルデのオープン、市立病院東側へのららぼーと出店計画、東名高速道路あしたかスマートインターチェンジ建設の決定なども計画策定時の想定とは異なる点を挙げた。
 続いて、若林直毅企画部長が、今回追加修正する計画素案について説明。社会環境の変化を踏まえたコンパクトシティのあり方と、交通環境の変化に伴う柔軟な土地利用についての内容を追加する方針であることを話した。
 これを受けて協議に入ると、鈴木秀郷議員(市民クラブ)は、「総合計画と基本計画を途中で見直すのは節目の五年でやってきた記憶はあるが、二十七年間の議員生活でも、そのほかの年度に急きょ行う変更は初めて」だとした上で、コンパクトシティの考え方について、「(当局の修正説明によるものが)今ある第4次総合計画にはなかったのか、あったとしたら、どう変わったのか」と質問。
 若林企画部長は、市街地の広がりから市の六割の人口が住む沼津駅を中心としたエリアを「都市的居住圏」とし、「北部地区」や「北西部地区」も含めて都市的居住圏の重点構成要素とすることなど、都市機能の再構築を示したことを説明。コンパクトシティの考え方は従来と変わらないが、「市が目指すコンパクトシティを、より明確に示した」とした。
 次に、城内務議員(公明党)は都市的居住圏のエリアを質問。
 若林企画部長は東が大岡駅周辺、西が市立病院付近、南が我入道地区、北が岡宮北土地区画整理事業を行っている地域まで広がる円の内側であることを回答。
 城内務議員が、修正案に「環境との共生を図りながら」の文言が新たに加えられている点に言及。その考え方を尋ねた。
 若林企画部長は「過度に自動車交通に依拠しない公共交通の整備も必要」だとの考え方を示した。
 川口三男議員(共産党市議団)は「庁内各課各部での調整を図り、意思統一が図られた上で、この場が設けられているのか」とただした。
 若林企画部長は「意見調整した上で、この案が作られた」と答えた。
 川口議員は津波浸水想定地区にかかる第二、第三、第四の各中学校区を挙げ、そこを都市的居住圏として人が住むことを奨励する地域としていることについて考えを尋ねた。
 若林企画部長は「(都市的居住圏の中でも)津波の危険性が少ない地域に居住圏を設ける」と回答。
 川口議員は「津波が来ると言われている所を、なぜ都市的居住圏にしているのか」と重ねて尋ねた。
 若林企画部長は「人口の六割が集積し、一定の都市的機能が整備されている」ことなどを挙げた。
 川口議員は「私の言っていることがなぜ分からないのか分からないが、今後、(市議会定例会一般質問などで)質問していく」とする一方、都市的居住圏の説明に「都市的サービスを享受できる便利な居住空間」という文言があることを取り上げ、「都市的サービスとは、どんなことをイメージして文言にしたか」と質問。
 若林企画部長が、「高次都市機能」という言葉を使って答弁すると、川口議員は「高次都市機能とは、どんなものをイメージしているのか」と、重ねてただした。
 さらに川口議員は、若林企画部長による答弁を受けた後、「『都市的サービス』『高次都市機能』。これらの言葉は、これまでも言われてきた。総合計画を修正する中で(元の計画と)何が違うのか」と繰り返し質問したが、答弁に具体的なまちづくりをイメージできるものはなかった。

(沼朝平成26914日号)

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