原移転「実質的に待避線」
沼津鉄道高架事業 知事、JR貨物会長会談
JR沼津駅付近鉄道高架事業をめぐり、川勝平太知事は22日、JR貨物の石田忠正会長と都内の同社本社で初めて会談した。同事業に伴う沼津市原地区への貨物駅移転について、知事は会談後の取材に「実質、(貨物の積み降ろしが少ない)待避線ということが、はっきり分かった」と述べ、周辺環境への影響が限定的であることや防災拠点としての必要性を強調した。
会談は非公開で約1時間、2人で意見を交わした。知事によると、石田会長は沼津の貨物駅の機能について言及。知事は「(石田会長から)荷物の積み降ろしがほとんどないが、積み降ろしのシステムを持っていないと有事には役立たないという話があり、確かにその通りだ」と理解を示した。
現計画で移転先とされる原地区での周辺地域の環境への影響については「懸念が払拭(ふっしょく)されるように努力を傾注すると(石田会長が)言っていた。実際に荷物の積み降ろしは少ないので、原に持っていくのは待避線」とし、「貨物駅というよりも有事の災害拠点駅と考えた方がいい」と強調した。
知事は8月に関西地方の貨物ターミナル駅を視察した上で、同社の田村修二社長と会談。首都直下型の大規模地震などの際に防災拠点となる貨物駅の必要性を確認したとしていた。
川勝知事の動向「現行計画推進か」
沼津市長が認識
沼津市の栗原裕康市長は22日の定例会見で、JR沼津駅付近鉄道高架事業をめぐる川勝平太知事の動向に対して、「報道から伺う限り」と前置きした上で「(現行計画の)貨物駅を原地区に移転し、鉄道高架事業を完成させるという方向で動いているように感じる」との認識を示した。
知事は高架事業の方向性について7月下旬に「決断した」と語ったが、決断内容を明言せずに、関西地方の貨物ターミナル駅の視察や、沼津市原地区への貨物駅移転に反対する同地区の女性との会談などを行っている。
栗原市長は知事の行動について「精力的に動いてもらっていて敬意を表したい」と評価。その上で高架事業に関しては「(原地区の反対地権者との話し合いが)円満に解決し、事業が推進することを強く望んでいる」と述べた。
(静新平成26年9月23日朝刊)
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