沼津駅Pl 4代替案に絞る
勉強会最終会合 住民らおおむね了承
県は19日、JR沼津駅付近鉄道高架事業をめぐる住民参加型合意形成作業「パブリックインボルブメント」(PI)として、住民から意見を聞く勉強会の最終会合を沼津市内で開いた。これまでの意見を踏まえて県が集約した4種類の代替案に対し、住民らがおおむね了承した。県は有識者の助言などを受け、11月中旬にも川勝平太知事に4案を推奨案として提出する方針。
代替案は「沼津駅付近の高架化」「沼津駅橋上駅」に分かれた。このうち高架化する場合に必要な貨物駅の移転先は「原地区」と「近くの駅に統合」の2パターンを示し、橋上駅の場合は「駅の南北を結ぶ立体道路と自由通路」と「自由通路のみ」を整備する各案となった。
PIは当初、代替案を一つに絞り込む予定だったが、高架事業の推進派と反対派のそれぞれの住民の意見が最後までまとまらなかった。参加した住民の一人は「推進派、反対派が自由に意見を言い合える場を県に設けてもらえたのはありがたかった」と評価したものの、「事業が進んだという実感は湧かない」と指摘した。
賛否双方「早く決断を」
「これ以上、結論を先延ばしにしてはならない」。JR沼津駅鉄道高架事業で県が19日に沼津市で開いたPIの最終勉強会で、高架事業の推進派と反対派の双方の住民から、川勝平太知事に事業の方向性を早急に決断するよう求める声が相次いだ。
高架事業をめぐり、県は年内に方向性を示す方針を示していた。だが、意思決定者の川勝知事は11日の定例記者会見で「物理的(時間の)問題ではない」と、判断の時期にこだわらない姿勢を示した。
知事発言に対し、貨物駅移転予定地付近の住民でつくる三区JR貨物駅対策協議会の鈴木正祥さん(73)は二体どこまで延ばそうというのか。(住民を)もて遊ぶようなことはしないでほしい」と苦言を呈す。沼津商工会議所青年部監事の清水英一郎さん(50)も「過去の沼津市長選でも争点になって推進派が勝ってきた。先延ばしによってまちづくりに与えるマイナスの影響は大きい」と指摘する。
勉強会の開催は今年1月から延べ12回に上る。毎回3時間近く住民が意見を交わした。沼津青年会議所顧問の杉沢教人さん(38)は「これまでの時間を無駄にしてほしくない。遅くとも年内に結論を出してほしい」と訴える。一方、鉄道高架化を見直す沼津市民の会の川口公文さん(66)は「知事の判断を待つより、住民投票で決めた方が、市民の声も反映されるし、時間もかからない」と訴えた。
《靜新平成25年10月20日(日)朝刊》
事務局提出の最終4案を協議
沼津高架PIプロジェクト合同勉強会の最終回となる第7回が十九日、沼津労政会館で開かれ、メンバー四十四人のうち三十九人が出席し、事務局が四つに絞った代替案について協議。石田東生PI委員会委員長(筑波大教授)と、県交通基盤部の長島郁夫部長ら沼津高架PIプロジェクト推進本部の幹部らが議論の様子を見守った。
四つの代替案は、事務局が十四を七つにし、さらに絞ったもので、計画通りに鉄道高架を実施した場合の二案と、鉄道高架を行わずに再開発する二案。四案の概要は次の通り。
【鉄道高架を実施する場合】代替案1 沼津駅周辺総合整備事業をさらに発展させ、原地区全体を新たな拠点地区として位置付け、貨物駅を活用して原地区西側ゾーン全体を整備する。総事業費は一、八七七億円。(以下、総事業費は全て概算)
代替案2 貨物駅を近傍駅に統合し、沼津駅周辺総合整備事業を発展させて都市機能のさらなる集積を図り、原地区には貨物駅を整備しないで種地(既に買い上げた貨物駅用地)を活用して西側ゾーン全体を整備する。総事業費は一、九三五億円。
【鉄道高架を行わない場合】代替案3 五〇~一〇〇㍍の幅広自由通路と橋上駅を整備し、車両の南北交通対策としては三つ目ガードと中央ガードに線路を跨ぐ二本のオーバーブリッジを建設する。原地区は貨物駅を整備せず、種地を活用して西側ゾーンを整備する。総事業費は一、三二七億円。
代替案4 自由通路と橋上駅で課題解決を図り、原地区全体を新たな拠点地区として位置付け、貨物駅を整備しないで種地を活用して西側ゾーンを整備する。総事業費は六九九億円。
以上の四つの代替案に示された原地区における開発は同じもので、土地区画整理事業や南北道路の新設、公園・グラウンド・スポーツ施設整備、新駅の建設、道の駅整備などで総事業費は三〇七億円。
以下省略。
《沼朝平成25年10月24日(木)号》
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