「郊外と中心街振興両立」
ららぽーと進出計画 消費拡大も期待 沼津市長
沼津市の栗原裕康市長は19日の市議会全員協議会で、同市東椎路の市街化調整区域への大型商業施設「ららぽーと」進出計画について、「市内への消費回帰や新規消費の流入が期待できる」と述べた。
その上で市は、衰退が懸念されている中心市街地に関しては、2014年度末に第1期が終了する「中心市街地活性化基本計画」を継続せず、新たに国土交通省の「地方都市リノベーション事業」の採択
を目指し、郊外と中心市街地の振興を両立させる方針を明らかにした。
地方都市リノベーション事業は、既成市街地の有効利用を図りながら、国の交付金(原則50%)を受けて、持続可能な集約型都市構造の再構築を目指す制度。駅を中心に半径1㌔内に医療、福祉、子育て支援など生活に必要な機能を整備しながら、生活拠点を形成する。
栗原市長は「都心居住を促進するとともに、商業、医療、福祉など質の高い生活環境を提供して、中心市街地の活性化を図りたい」と話した。
一方、「ららぽーと」を運営する三井不動産の計画概要によると、店舗面積は約6万平方綴。テナント数は約200店。半径30㌔圏内からの集客や、3千~4千人の雇用創出を見込んでいる。予定地の地権者団体は5年後の開業を求めている。市は、市街化調整区域の開発を可能とするため、都市計画決定や地区計画の策定などを進めていく方針。
《静新平成25年11月20日(水)朝刊》
沼津市 ららぽーと巡り補助事業変更へ
市街地と郊外両立図る
沼津市東椎路への「(仮称)ららぽーと沼津」進出計画に関連し、沼津市は19日、2014年度末で事業認定の期限を迎える「中心市街地活性化基本計画」に代わり、15年度から別の国の補助事業「地方都市リノべーション事業」の採択を目指す方針を明らかにした。郊外の開発への規制がある中心市街地活性化計画の事業継続は、ららぽーととの両立が困難と判断したため。
14年度中にリノベーション事業の計画をまとめ、15年度からの国土交通省の事業採択を目指す。
沼津市都市計画部によると、中心市街地活性化計画に盛り込んだほぼ全ての補助事業がリノベーション事業の補助対象に残るうえ、リノベーション事業の方が補助率が高いという。県内では、静岡市(駿府ふれあい地区)▽焼津市(焼津中部地区)▽三島市(みしままちなか賑わい再生地区)ーが既に事業採択されている。
ららぽーと進出計画に対し、沼津市の中心商店街は「中心部の空洞化が進むのでは」と危機感があり、沼津市商店街連盟は中心市街地活性化基本計画の事業継続などを20日に市長に要望する予定だった。【石川宏】
《毎日新聞平成25年11月20日(水)》
2013年11月20日水曜日
2013年11月16日土曜日
沼津高架、知事明言避ける
沼津高架、知事明言避ける
JR沼津駅付近の鉄道高架問題を巡り、川勝知事は15日、事業の方向性を決定する判断時期について「出来るだけ早くということだ」と明言を避けた。4案から絞り込む作業は県職員で、自身は後方支援する「付録」の存在とした。政治主導での解決を棚上げするもので、知事の考えに不満が噴出することは避けられない情勢だ。
同日、PI(パブリック・インボルブメント)プロジェクトの助言役などを務めた委員会の石田東生委員長(筑波大教授)が、「何も決まらない状態は最も避けるべき」などと結論付けた報告書を知事に提出した。
その後、報道陣の取材に応じた知事は、「PI委員会は1案に絞るのが目的だったが、JR貨物、沼津市が入らなかったから4案にとどめざるを得なかった」とし、JR貨物と沼津市に協力を要請する考えを示した。
また、同プロジェクトに関係した県職員を「主役」「彼らを正面に立てる」と強調。自身の役割については、「彼らがしっかりと仕事をできる環境を作ること」とし、「(担当職員の)重要な付録になりたい」とも述べた。
知事は「誰も不幸にならない解決策を目指すのが基本」としたものの、「命令してこうしてくれというやり方はしない」と言い切り、自身の政治主導で解決策を提示することを否定した。
(2013年11月16日 読売新聞)
JR沼津駅付近の鉄道高架問題を巡り、川勝知事は15日、事業の方向性を決定する判断時期について「出来るだけ早くということだ」と明言を避けた。4案から絞り込む作業は県職員で、自身は後方支援する「付録」の存在とした。政治主導での解決を棚上げするもので、知事の考えに不満が噴出することは避けられない情勢だ。
同日、PI(パブリック・インボルブメント)プロジェクトの助言役などを務めた委員会の石田東生委員長(筑波大教授)が、「何も決まらない状態は最も避けるべき」などと結論付けた報告書を知事に提出した。
その後、報道陣の取材に応じた知事は、「PI委員会は1案に絞るのが目的だったが、JR貨物、沼津市が入らなかったから4案にとどめざるを得なかった」とし、JR貨物と沼津市に協力を要請する考えを示した。
また、同プロジェクトに関係した県職員を「主役」「彼らを正面に立てる」と強調。自身の役割については、「彼らがしっかりと仕事をできる環境を作ること」とし、「(担当職員の)重要な付録になりたい」とも述べた。
知事は「誰も不幸にならない解決策を目指すのが基本」としたものの、「命令してこうしてくれというやり方はしない」と言い切り、自身の政治主導で解決策を提示することを否定した。
(2013年11月16日 読売新聞)
2013年11月13日水曜日
沼津・商店街連 大型SC「反対」:中日新聞平成25年11月13日(水)朝刊記事

沼津・商店街連
大型SC「反対」へ
地元地権者らは実現要望
沼津市北西部にある市街化調整区域に、郊外型の大型商業施設の進出計画が持ち上がっている。栗原裕康市長は九月の市議会で「開発の可能性を探る」と前向きな姿勢を表明。地元でも推進の動きが具体化してきたが、JR沼津駅周辺の商店街でつくる沼津市商店街連盟は、進行中の中心市街地の活性化事業に影響を与えるとして反対する構えだ。
栗原市長の姿勢を受け、市立病院東側にある土地約十二㌶(東椎路)の地権者でつくる「街並を創造する会」と周辺自治会の代表は十一日、市長に要望書を手渡した。「ららぽーと」を運営する三井不動産(東京)を優先交渉権者に選んだと報告し、「(北西部)地域の活性化はもとより、(市全体の)まちの活力向上にも期待できる」と早期実現を要望した。
創造する会の深沢臣夫(とみお)会長(七九)によると、三井不動産が示した「(仮称)ららぽーと沼津」の概要は店舗面積六鉛、テナント二百店、駐車場三千五百台の規模。市街化調整区域の土地を開発する場合、農地転用などの行政手続きが必要で、会は市の理解と協力を求めた。
栗原市長は報道陣に「前向きに検討したい」と明言。「中心市街地の皆さんは(郊外開発で)中心部がもっと疲弊するのではと恐れているが、両立したい。両立できない場合はどちらかを選択する」と述べた。
一方、市商店街連盟の芦川勝年会長(六六)は「市は中心市街地の活性化を続けてほしい」と述べた。近く開発反対の意見書を栗原市長に提出するという。(築山英司)
《中日新聞平成25年11月13日(水)朝刊》
地権者団体ら 市長に早期実現要望書:東京新聞記事
沼津市北西部に商業施設
地権者団体ら 市長に早期実現要望書
沼津市北西部にある市街化調整区域に、郊外型の大型商業施設の進出計画が持ち上がっている。栗原裕康市長は九月の市議会で「開発の可能性を探る」と前向きな姿勢を示したが、JR沼津駅周辺の商店街でつくる沼津市商店街連盟は、進行中の中心市街地の活性化事業に影響を与えるとして反対する構えだ。
市立病院東側にある約十二㌶の土地(東椎路)の地権者でつくる団体「街並を創造する会」と周辺自治会の代表が十一日、栗原市長に要望書を手渡した。二カ月前の市長の積極姿勢を受け、最初の交渉相手として「ららぽーと」を運営する三井不動産(東京)を優先交渉権者に選んだと報告し、「(北西部の)地域の活性化はもとより、(市全体の)まちの活力向上にも期待できる」と、開発の早期実現を要望した。
創造する会の深沢臣夫(とみお)会長(七九)によると、三井不動産が示した「(仮称)ららぽーと沼津」の概要は店舗面積六㌶、テナント二百店、駐車場三千五百台の規模。市街化調整区域の土地を開発する場合、農地転用などの行政手続きが必要で、会は市の理解と協力を求めた。
栗原市長は報道陣に「前向きに検討したい」と話し、「中心市街地の皆さんは(郊外開発で)中心部がもっと疲弊するのではと恐れているが、両立したい。両立できない場合はどちらかを選択する」との意向を示した。
市商店街連盟の芦川勝年会長(六六)は「市は中心市街地の活性化を続けてほしい」と述べた。近く開発反対の意見書を栗原市長に提出するという。(築山英司)
《東京新聞平成25年11月12日朝刊》
地権者団体ら 市長に早期実現要望書
沼津市北西部にある市街化調整区域に、郊外型の大型商業施設の進出計画が持ち上がっている。栗原裕康市長は九月の市議会で「開発の可能性を探る」と前向きな姿勢を示したが、JR沼津駅周辺の商店街でつくる沼津市商店街連盟は、進行中の中心市街地の活性化事業に影響を与えるとして反対する構えだ。
市立病院東側にある約十二㌶の土地(東椎路)の地権者でつくる団体「街並を創造する会」と周辺自治会の代表が十一日、栗原市長に要望書を手渡した。二カ月前の市長の積極姿勢を受け、最初の交渉相手として「ららぽーと」を運営する三井不動産(東京)を優先交渉権者に選んだと報告し、「(北西部の)地域の活性化はもとより、(市全体の)まちの活力向上にも期待できる」と、開発の早期実現を要望した。
創造する会の深沢臣夫(とみお)会長(七九)によると、三井不動産が示した「(仮称)ららぽーと沼津」の概要は店舗面積六㌶、テナント二百店、駐車場三千五百台の規模。市街化調整区域の土地を開発する場合、農地転用などの行政手続きが必要で、会は市の理解と協力を求めた。
栗原市長は報道陣に「前向きに検討したい」と話し、「中心市街地の皆さんは(郊外開発で)中心部がもっと疲弊するのではと恐れているが、両立したい。両立できない場合はどちらかを選択する」との意向を示した。
市商店街連盟の芦川勝年会長(六六)は「市は中心市街地の活性化を続けてほしい」と述べた。近く開発反対の意見書を栗原市長に提出するという。(築山英司)
《東京新聞平成25年11月12日朝刊》
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2013年11月12日火曜日
大型商業施設進出に対する意見書
沼津市長様
中心市街地活性化基本計画事業継続要望書
(大型商業施設進出に対する意見書)
平成21年12月に沼津市が国から認定された沼津市中心市街地活性化基本計画は、向こう5か年の中心市街地のビジョンであり、今日まで、その計画に基づき沼津市および中心市街地活性化協議会等と連携しコンパクトなまちづくりを目指し努力してきたところであります。
しかし、沼津市立病院東側約11ヘクタールへの大型商業施設の進出は、中心市街地活性化法の大規模集客施設の郊外への拡散を防ぐという基本方針から逸脱し、沼津市が策定した中心市街地活性化基本計画を根源から揺るがすものであります。
この沼津市が策定した基本計画は平成27年3月までとなっており、郊外へ大型商業施設の出店を容認する場合には引き続き国から認定されるのは非常に厳しい状況であります。
基本計画の終了は、今後、中心市街地に対し国からの支援が非常に厳しくなる他、現在、取り組んでいる様々な中心市街地の活性化事業に物質的にも精神的にも大きな影響が生じるところであります。
よって沼津市においては方針を転換せず中心市街地活性化基本計画の国へ向けての積極的な事業継続を切望いたします。
このようなことから、沼津市商店街連盟としては大規模商業施設の進出については反対いたします。
平成25年9月20日
沼津市商店街連盟
中心市街地活性化基本計画事業継続要望書
(大型商業施設進出に対する意見書)
平成21年12月に沼津市が国から認定された沼津市中心市街地活性化基本計画は、向こう5か年の中心市街地のビジョンであり、今日まで、その計画に基づき沼津市および中心市街地活性化協議会等と連携しコンパクトなまちづくりを目指し努力してきたところであります。
しかし、沼津市立病院東側約11ヘクタールへの大型商業施設の進出は、中心市街地活性化法の大規模集客施設の郊外への拡散を防ぐという基本方針から逸脱し、沼津市が策定した中心市街地活性化基本計画を根源から揺るがすものであります。
この沼津市が策定した基本計画は平成27年3月までとなっており、郊外へ大型商業施設の出店を容認する場合には引き続き国から認定されるのは非常に厳しい状況であります。
基本計画の終了は、今後、中心市街地に対し国からの支援が非常に厳しくなる他、現在、取り組んでいる様々な中心市街地の活性化事業に物質的にも精神的にも大きな影響が生じるところであります。
よって沼津市においては方針を転換せず中心市街地活性化基本計画の国へ向けての積極的な事業継続を切望いたします。
このようなことから、沼津市商店街連盟としては大規模商業施設の進出については反対いたします。
平成25年9月20日
沼津市商店街連盟
東椎路への大型施設誘致 地権者組織が市長に静新・沼朝記事
「ららぽーと」早期実現を
沼津・地権者団体 市長に協力要請
三井不動産が運営する大型商業施設「ららぽーと」の進出が計画されている沼津市東椎路の市街化調整区域をめぐり、地元の地権者団体「街並を創造する会」の深沢臣夫会長らが11日、市役所を訪れ、計画の早期実現に向けて市に協力を求める要望書を栗原裕康市長に提出した。
要望書は、同会と進出予定地に近い愛鷹地区、金岡西部地区の両連合自治会の連名で、同社の計画が「雇用の創出や税収入の増加、交流人口の拡大など、まちの活力向上に期待できる」としている。その上で市に、農地法や都市計画法など法令上の緩和策や、道路整備、治水対策などを求めている。
計画をめぐり、市中心街の疲弊を招くとの声も上がっている。栗原市長は「地権者や当該地域だけの問題でなく、沼津全体の問題。中心市街地の活性化と郊外の土地の有効利用を両立できる施策を講じていきたい」と述べ、あらためて計画推進の姿勢を示した。
深沢会長は「沼津市西北部の開発は立ち遅れているので、何とか計画を実現させたい」と話した。
《静新平成25年11月12日(火)朝刊》
西北部の地域づくりで要望
東椎路への大型施設誘致 地権者組織が市長に
東椎路への大型商業施設誘致で、ららぽーとを運営する三井不動産を優先交渉権者に選定した地権者組織、街並を創造する会(深沢臣夫代表)の役員八人は十一日、市役所に栗原裕康市長を訪ね、愛鷹と金岡の両地区連合自治食と連名による「沼津市西北地域の活力あるまちづくりに関する要望書」を渡した。市長は、土地利用変更について検討していることを説明し、「頑張る」と推進の考えであることを示した。
関係連合会長との連名で
市長「頑張る」と前向きの姿勢
深沢代表が要望書を読み上げ、三井不動産を優先交渉権者として選んだ理由として、ららぽーとは市外や県外からも集客が期待できる魅力ある商業施設で、全国的に知名度の高いテナントを誘致できるノウハウがあることなどを挙げた。
また、愛鷹と金岡の両地区連合自治会が、雇用の創出、税収増、交流人口の拡大などにより地域の活性化、まちの活力向上にも期待できることから事業提案に賛同していることを示した。
その上で、「市としても、当該地の大型商業施設による事業提案について、ぜひ前向きに検討し、事業の早期実現に向けて理解と協力をいただけるように」と結んだ。
これに対して栗原市長
は「土地の有効利用の結論を出したと理解している」とし、大型商業施設の進出は愛鷹地区と金岡地区の問題だが、市としても関心を持っていることを述べ、「中心市街地の商業者の中には強硬に反対している人もいるが、市としては両方が成り立つようにしたい」との考えを見せた。
また、予定地周辺に治水問題があることを挙げ、「新沼川放水路建設は完成まで二十年かかると言われているが、二十年は長過ぎる」とし、国が関係地域を「100㍉安心プラン」対象地域に選んだことから具体的に事業が進み工期が短縮されることに期待した。
さらに、市長が「地権者は一〇〇%OK(賛成)か」と尋ねたのに対して深沢会長が「ほぼ一〇〇%」と答えると、市長は「何かやろうとすると、必ず反対がある」とした上で、東名愛鷹パーキングエリアと新東名駿河湾沼津サービスエリアにスマートインターチェンジが開設されることなどを挙げ、「放水路が出来れば事業をしやすい地域になるので頑張りたい」と答えた。
一方、「(郊外への大型商業施設は〉中心市街地の疲弊を招くとの心配もあるが、両立を目指したい。どちらか一方を切り捨てなければならないこともあるかも知れないが、最後には政治が決断しなくてはならない」と強い決意を示した。
散会後の記者会見で、郊外への大型商業施設進出話で沼津駅付近鉄道高架事業に対する川勝平太知事による最終決定への影響がないかを問われた市長は、「(沼津駅周辺のまちづくりは)高架を前提に進めているので今さら中止することは、政治的にはあり得ない」と強調。
また、「沼津は腐っても鯛」だとし、東部地域では、まちの魅力は一番で「(ららぽーとは東名、新東名)インターにも近く、沼津駅からも遠くないし、治水問題が解消すれば沼津市は衰退傾向から脱却できるのではないか」と期待した。
※地権者組織が誘致交渉の優先権者に決めた、ららぽーは、「広域集客性」「地域との連携」「独「自性」を開発のキーポイントに挙げ、特徴として「子どもから大人まで、みんなの生活を豊かにし、街ににぎわいを創出する場を提供する」ことを揚「げている。
地権著側への提案によると、沼津での施設規模は店舗面積約六㌶、テナント数約二百店、駐車場台数約三千五百台、雇用予定人数約三千人から四千人。
これまで全国に八店舗を展開し、2006年には千葉県船橋市に店舗面積約二・五㌶の「ららぽーとTOKYO BAY」を、〇九年には磐田市に店舗面積約五㌶の「ららぽーと磐田」を開設している。
《沼朝平成25年11月12日(火)号》
沼津・地権者団体 市長に協力要請
三井不動産が運営する大型商業施設「ららぽーと」の進出が計画されている沼津市東椎路の市街化調整区域をめぐり、地元の地権者団体「街並を創造する会」の深沢臣夫会長らが11日、市役所を訪れ、計画の早期実現に向けて市に協力を求める要望書を栗原裕康市長に提出した。
要望書は、同会と進出予定地に近い愛鷹地区、金岡西部地区の両連合自治会の連名で、同社の計画が「雇用の創出や税収入の増加、交流人口の拡大など、まちの活力向上に期待できる」としている。その上で市に、農地法や都市計画法など法令上の緩和策や、道路整備、治水対策などを求めている。
計画をめぐり、市中心街の疲弊を招くとの声も上がっている。栗原市長は「地権者や当該地域だけの問題でなく、沼津全体の問題。中心市街地の活性化と郊外の土地の有効利用を両立できる施策を講じていきたい」と述べ、あらためて計画推進の姿勢を示した。
深沢会長は「沼津市西北部の開発は立ち遅れているので、何とか計画を実現させたい」と話した。
《静新平成25年11月12日(火)朝刊》
西北部の地域づくりで要望
東椎路への大型施設誘致 地権者組織が市長に
東椎路への大型商業施設誘致で、ららぽーとを運営する三井不動産を優先交渉権者に選定した地権者組織、街並を創造する会(深沢臣夫代表)の役員八人は十一日、市役所に栗原裕康市長を訪ね、愛鷹と金岡の両地区連合自治食と連名による「沼津市西北地域の活力あるまちづくりに関する要望書」を渡した。市長は、土地利用変更について検討していることを説明し、「頑張る」と推進の考えであることを示した。
関係連合会長との連名で
市長「頑張る」と前向きの姿勢
深沢代表が要望書を読み上げ、三井不動産を優先交渉権者として選んだ理由として、ららぽーとは市外や県外からも集客が期待できる魅力ある商業施設で、全国的に知名度の高いテナントを誘致できるノウハウがあることなどを挙げた。
また、愛鷹と金岡の両地区連合自治会が、雇用の創出、税収増、交流人口の拡大などにより地域の活性化、まちの活力向上にも期待できることから事業提案に賛同していることを示した。
その上で、「市としても、当該地の大型商業施設による事業提案について、ぜひ前向きに検討し、事業の早期実現に向けて理解と協力をいただけるように」と結んだ。
これに対して栗原市長
は「土地の有効利用の結論を出したと理解している」とし、大型商業施設の進出は愛鷹地区と金岡地区の問題だが、市としても関心を持っていることを述べ、「中心市街地の商業者の中には強硬に反対している人もいるが、市としては両方が成り立つようにしたい」との考えを見せた。
また、予定地周辺に治水問題があることを挙げ、「新沼川放水路建設は完成まで二十年かかると言われているが、二十年は長過ぎる」とし、国が関係地域を「100㍉安心プラン」対象地域に選んだことから具体的に事業が進み工期が短縮されることに期待した。
さらに、市長が「地権者は一〇〇%OK(賛成)か」と尋ねたのに対して深沢会長が「ほぼ一〇〇%」と答えると、市長は「何かやろうとすると、必ず反対がある」とした上で、東名愛鷹パーキングエリアと新東名駿河湾沼津サービスエリアにスマートインターチェンジが開設されることなどを挙げ、「放水路が出来れば事業をしやすい地域になるので頑張りたい」と答えた。
一方、「(郊外への大型商業施設は〉中心市街地の疲弊を招くとの心配もあるが、両立を目指したい。どちらか一方を切り捨てなければならないこともあるかも知れないが、最後には政治が決断しなくてはならない」と強い決意を示した。
散会後の記者会見で、郊外への大型商業施設進出話で沼津駅付近鉄道高架事業に対する川勝平太知事による最終決定への影響がないかを問われた市長は、「(沼津駅周辺のまちづくりは)高架を前提に進めているので今さら中止することは、政治的にはあり得ない」と強調。
また、「沼津は腐っても鯛」だとし、東部地域では、まちの魅力は一番で「(ららぽーとは東名、新東名)インターにも近く、沼津駅からも遠くないし、治水問題が解消すれば沼津市は衰退傾向から脱却できるのではないか」と期待した。
※地権者組織が誘致交渉の優先権者に決めた、ららぽーは、「広域集客性」「地域との連携」「独「自性」を開発のキーポイントに挙げ、特徴として「子どもから大人まで、みんなの生活を豊かにし、街ににぎわいを創出する場を提供する」ことを揚「げている。
地権著側への提案によると、沼津での施設規模は店舗面積約六㌶、テナント数約二百店、駐車場台数約三千五百台、雇用予定人数約三千人から四千人。
これまで全国に八店舗を展開し、2006年には千葉県船橋市に店舗面積約二・五㌶の「ららぽーとTOKYO BAY」を、〇九年には磐田市に店舗面積約五㌶の「ららぽーと磐田」を開設している。
《沼朝平成25年11月12日(火)号》
2013年11月5日火曜日
PI委終了4案提出へ
PI委終了4案提出へ
沼津駅高架 県、絞りきれず
県のJR沼津駅付近鉄道高架事業をめぐり住民の合意形成を図るパブリックインボルブメント(PI)の監視、助言に当たってきたPI委員会(委員長・石田東生筑波大教授)は4日、沼津市で最終会合を開き、県が提示した事業計画の代替案4案を承認した。鉄道高架の推進派、反対派の溝は大きく、県は案を一つに絞りきれなかった。石田委員長は15日、最終報告書として4案を川勝平太知事に提出する。
代替案は鉄道高架2案と、沼津駅橋上駅化の2案。高架は市中心部の現貨物駅を原地区に移す案と、近くの駅に統合する案に分かれる。橋上駅案は、駅の南北を結ぶ立体道路と自由通路を設ける案と、自由通路だけを造る案になった。
県の担当者は各案には用地取得、鉄道事業者の意向、都市計画の大幅変更などの課題や不確実要素があるとし、「これ以上の絞り込みは不可能」と述べ、委員も理解を示した。
PI委は、鉄道高架の推進派、反対派の住民が参加したPI勉強会で取りまとめた地域づくりの進め方として、「何も決まらない状態は最も避けるべき」「財政へ配慮し、効率的な事業とすべき」ーなど4項目の提言も、知事に提出することを確認した。
県は2011年11月にPIを開始し、18回のPI勉強会を開いた。車座談議や会場型情報交換会も行い、延べ約2800人の住民から意見を聞き取った。
事業方向付け早急に
(解説)
県が2年かけて実施した沼津駅付近鉄道高架事業のパブリックインボルブメント(PI)は、結論を一つに絞れないまま終了した。「鉄道の高架化」を進めるのか、「駅の橋上化」に変更するのか。今後は意思決定者の川勝平太知事の判断に委ねられる。
地元ではPIに対し当初から結論の先延ばしとの批判が強かった。推進派、反対派の訴えが最後まで平行線をたどることは予想されていた。当事者の沼津市やJR貨物が参加しなかったことにも疑問の声が上がった。
県は県議会で、知事が年内に方向付けする方針を示していた。しかし、PI終盤の10月、知事は「現場を知る職員に任せる」として、方向付けする時期の明言を避けた。
知事は高架化推進を掲げる一方で、原地区の新貨物駅用地の強制収用は行わないと訴えてきた。知事の考えを含め、PIで残った代替案はいずれも、沼津市、JR貨物など関係者との協議が不可欠になる。推進派も反対派も停滞する市街地の活性化に向けて早期の方針決定を望んでいる。県がどの案で進めるか方針を固めない限り、交渉は始まらない。
(東部総局・豊竹喬)
∽沼津駅付近鉄道高架事業事
業主体は県で、2006年に国の事業認可を得た。施行期間は22年度末まで。現計画は、JR東海道線、御殿場線を延べ約5㌔高架化し、13カ所の踏切を除去、幹線道路8路線を立体化する。事業費は787億円で、このうち県と市がそれぞれ約190億円を負担する。高架化には、駅近くの貨物駅の移転が不可欠だが、移転予定地の原地区で地権者の反対があり、用地取得率が7割で止まっている。
《靜新平成25年11月5日(火)朝刊一面》
沼津駅高架Pl終了
異なる受け止め
JR沼津駅付近鉄道高架事業をめぐる住民間の意見対立を解消しようと、県が取り組んできた住民参加型合意形成作業パブリックインボルブメント(PI)が終了した4日、推進派と反対派のPIの結果に対する受け止め方は大きく異なった。
高架推進の立場でPIに参加してきた「東駿河湾まちづくり研究会」の工藤政則さん(54)は、PI委員会が四つの代替案を川勝知事に提出することに対して、「推進派、反対派が納得できる結論を出すことがPIの目的だったはず。両極端の案が残った結果は、決して成功と思えない」と苦言を呈した。
こうした声にPI委の石田東生委員長(筑波大教授)は「多様な意見を持つ住民同士が議論を重ね、地域づくりに共通認識を持てた」と強調し、今後は県、沼津市、JR貨物の協議に生かすよう求めた。
一方、事業の見直しを訴えてきた「郷土を愛する会」の松下宗柏さん(65)は「『高架ありき』でなく、駅の橋上化など、今まで公の場で取り上げられなかった意見を平等に扱ってくれた」と県の姿勢を評価した。その上で、県が事業の方向性をいつ示すのか、スケジュールを明確にするよう注文を付けた。
県交通基盤部の長島郁夫部長は「できるだけ早急に方向付けしたい」と述べるにとどめた。
《靜新平成25年11月5日(火)朝刊26面》
沼津駅高架 県、絞りきれず
県のJR沼津駅付近鉄道高架事業をめぐり住民の合意形成を図るパブリックインボルブメント(PI)の監視、助言に当たってきたPI委員会(委員長・石田東生筑波大教授)は4日、沼津市で最終会合を開き、県が提示した事業計画の代替案4案を承認した。鉄道高架の推進派、反対派の溝は大きく、県は案を一つに絞りきれなかった。石田委員長は15日、最終報告書として4案を川勝平太知事に提出する。
代替案は鉄道高架2案と、沼津駅橋上駅化の2案。高架は市中心部の現貨物駅を原地区に移す案と、近くの駅に統合する案に分かれる。橋上駅案は、駅の南北を結ぶ立体道路と自由通路を設ける案と、自由通路だけを造る案になった。
県の担当者は各案には用地取得、鉄道事業者の意向、都市計画の大幅変更などの課題や不確実要素があるとし、「これ以上の絞り込みは不可能」と述べ、委員も理解を示した。
PI委は、鉄道高架の推進派、反対派の住民が参加したPI勉強会で取りまとめた地域づくりの進め方として、「何も決まらない状態は最も避けるべき」「財政へ配慮し、効率的な事業とすべき」ーなど4項目の提言も、知事に提出することを確認した。
県は2011年11月にPIを開始し、18回のPI勉強会を開いた。車座談議や会場型情報交換会も行い、延べ約2800人の住民から意見を聞き取った。
事業方向付け早急に
(解説)
県が2年かけて実施した沼津駅付近鉄道高架事業のパブリックインボルブメント(PI)は、結論を一つに絞れないまま終了した。「鉄道の高架化」を進めるのか、「駅の橋上化」に変更するのか。今後は意思決定者の川勝平太知事の判断に委ねられる。
地元ではPIに対し当初から結論の先延ばしとの批判が強かった。推進派、反対派の訴えが最後まで平行線をたどることは予想されていた。当事者の沼津市やJR貨物が参加しなかったことにも疑問の声が上がった。
県は県議会で、知事が年内に方向付けする方針を示していた。しかし、PI終盤の10月、知事は「現場を知る職員に任せる」として、方向付けする時期の明言を避けた。
知事は高架化推進を掲げる一方で、原地区の新貨物駅用地の強制収用は行わないと訴えてきた。知事の考えを含め、PIで残った代替案はいずれも、沼津市、JR貨物など関係者との協議が不可欠になる。推進派も反対派も停滞する市街地の活性化に向けて早期の方針決定を望んでいる。県がどの案で進めるか方針を固めない限り、交渉は始まらない。
(東部総局・豊竹喬)
∽沼津駅付近鉄道高架事業事
業主体は県で、2006年に国の事業認可を得た。施行期間は22年度末まで。現計画は、JR東海道線、御殿場線を延べ約5㌔高架化し、13カ所の踏切を除去、幹線道路8路線を立体化する。事業費は787億円で、このうち県と市がそれぞれ約190億円を負担する。高架化には、駅近くの貨物駅の移転が不可欠だが、移転予定地の原地区で地権者の反対があり、用地取得率が7割で止まっている。
《靜新平成25年11月5日(火)朝刊一面》
沼津駅高架Pl終了
異なる受け止め
JR沼津駅付近鉄道高架事業をめぐる住民間の意見対立を解消しようと、県が取り組んできた住民参加型合意形成作業パブリックインボルブメント(PI)が終了した4日、推進派と反対派のPIの結果に対する受け止め方は大きく異なった。
高架推進の立場でPIに参加してきた「東駿河湾まちづくり研究会」の工藤政則さん(54)は、PI委員会が四つの代替案を川勝知事に提出することに対して、「推進派、反対派が納得できる結論を出すことがPIの目的だったはず。両極端の案が残った結果は、決して成功と思えない」と苦言を呈した。
こうした声にPI委の石田東生委員長(筑波大教授)は「多様な意見を持つ住民同士が議論を重ね、地域づくりに共通認識を持てた」と強調し、今後は県、沼津市、JR貨物の協議に生かすよう求めた。
一方、事業の見直しを訴えてきた「郷土を愛する会」の松下宗柏さん(65)は「『高架ありき』でなく、駅の橋上化など、今まで公の場で取り上げられなかった意見を平等に扱ってくれた」と県の姿勢を評価した。その上で、県が事業の方向性をいつ示すのか、スケジュールを明確にするよう注文を付けた。
県交通基盤部の長島郁夫部長は「できるだけ早急に方向付けしたい」と述べるにとどめた。
《靜新平成25年11月5日(火)朝刊26面》
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