2014年2月21日金曜日

知事貨物駅移転へ私案

 沼津・鉄道高架
 知事貨物駅移転へ私案
 原地区反対住民に提示
 JR沼津駅付近の鉄道高架事業をめぐり、川勝平太知事は20日、沼津市原地区への貨物駅移転に反対する地権者や住民グループのメンバー9人と県庁で会談し、同地区への貨物駅移転を前提とした私案を示した。
 川勝知事はこれまで、鉄道高架事業を実施すべきか否かの判断は示しておらず、高架化の前提となる貨物駅移転の意思が明らかになったのは初めて。会談は冒頭を除いて非公開で、郷土を愛する会の加藤益久事務局長が終了後に記者団の取材に答えた。
 加藤事務局長は知事の私案に「具体的には申し上げられないが、すべてのみ込むのは難しい」と述べた。原地区への貨物駅移転が含まれているかとの質問に「そういうことだ」と明言した。
 知事は貨物駅移転とセットにして県が取り組む関連事業を示したとみられ、加藤事務局長は「持ち帰って他の地権看らにも伝える」と説明。合後、県からの協議要請には応じる考えを示した。
 会談で住民らは貨物駅整備のための用地買収には応じない方針を強調した。地区住民らが提案した健康文化タウン構想の実現を求め、「そのための土地活用については柔軟かつ積極的協力する」と申し入れた。
《靜新平成26221()朝刊一面》

沼津鉄道高架化の貨物駅移転事業
 再延長6年見えぬ道筋
 知事私案の行方焦点
 JR沼津駅付近鉄道高架事業の鍵を握る貨物駅移転事業で、国土交通省などは事業期間を6年間再延長することを認めた。さらに川勝平太知事が20日、沼津市原地区への移転を含めた私案を提示したことも明らかになった。しかし、反対地権者らは用地買収には応じないとの姿勢を崩さず、事業進展の道筋はなお見通せない。
 高架事業をめぐっては、昨年末までの住民参加型合意形成作業(PI)が今後の方向性として4案をまとめた。知事私案は、この中で「貨物駅を原地区へ移し、貨物駅を活用して地区の整備を図る」とした現計画に最も近い案に沿った内容とみられる。知事は関係者の合意形成を目指す時期を7月としている。反対地権者らは土地買収をあらためて拒否する一方、協議には応じる意向も示している。今後は知事私案の行方が、計画全体の進展を大きく左右することになりそうだ。
 貨物駅移転事業は、県が主体となる施設整備と沼津市が手掛ける用地取得に分けられる。現計画期間はいずれも本年度末となっていたため、県と市は1月、2019年度末までの延長を申請し、18日付で認められた。期間延長は08年度からに続き2回目となる。
 県は「事業の方向性を再検討している中で現在の計画を止めるわけにはいかない。用地を取得できていない現実を踏まえた手続きの一つ」と説明する。
 高架化の前提となっている貨物駅移転事業次第では、高架本体や新車両基地の整備など関連事業も期間延長などの認可変更を迫られる可能性があり、事業全体の方向付けを急ぐ考えに変わりはないと強調する。
《靜新平成26221()朝刊32面》

2014年2月13日木曜日

上空使用に理解 JR貨物社長

沼津駅高架事業
 上空使用に理解 JR貨物社長
 JR貨物の田村修二社長は12日の記者会見で、JR沼津駅付近鉄道高架事業に関し、現計画で貨物駅の移転先になっている沼津市原地区の線路や貨物駅の上空使用に理解を示した。「震災を考えて上空使用が立案された場合、貨物駅の機能が阻害されない前提で協力するのは全然問題ない」と述べた。
 田村社長は昨年11月に川勝平太知事と面会した際、地震や津波対策を踏まえて協力する意向を伝えたという。「貨物駅の機能がきちんと保全されるなら、協力するのが基本姿勢だ」と指摘した。
 事業の進捗(しんちょく)について「動向を見守るしかない。何とか早くまとまってほしい」と述べた。
 一方、JR東海は上空使用に関して「県から具体的な話を聞いておらず、上空使用を認めた事実もない。今後、県から話があれば、協議させていただく」としている。

《靜新平成26213()朝刊》

2014年2月11日火曜日

原地区 歩道橋構想で知事

 沼津鉄道高架 「JR上空使用容認」
 原地区 歩道橋構想で知事
 JR沼津駅付近鉄道高架事業をめぐり川勝平太知事は10日の定例記者会見で、現計画で貨物駅の移転先となっている沼津市原地区の線路や貨物駅の上に歩道橋などを架ける自身の構想について、JR貨物とJR東海が線路の上空使用を認める意向を示していると明らかにした。
 知事はこれまで、原地区は東海道線で南北に分断され、津波避難でも使用できる歩道橋を設置する必要があると指摘。移転計画に反対している住民にも、こうした考えを伝えている。
 会見では「JR貨物やJR東海が原地区のためにどうしたらいいかを考え、踏み込んだ。非常に大きな成果」と述べた。
 知事はまた、沼津駅周辺の現貨物駅の跡地利用について「市が具体案を持っていない」とし、サッカー場建設を市に提案したと説明した。
 サッカー日本フットボールリーグ(JFL)に参入するアスルクラロ沼津の活動を理由に挙げた。
 高架化を実施するか否かの最終決定となる住民参加型の合意形成作業(PI)が出した4案に対しては、意見を聞いている段階だとして自身の考えは表明しなかった。

《靜新平成26211()朝刊》

2014年2月7日金曜日

沼津中心市街地関係の26年度新規事業概観

沼津中心市街地関係の26年度新規事業概観

 ▽商業まちづくり推進(一部新規。17、500千円)=よさこい東海道開催や中心市街地活性化のための事業に対する補助など従前の取り組みに、新たに駅前にぎわいづくり支援事業費補助を加える。旧西武本館跡の活用で一部、公共的な利用も。
 ▽にぎわいづくり企画推進(同。10、600千円)=現行の、にぎわいご当地ユニット活動事業費補助、燦々ぬまづキャンペーン事業費補助などに加え、新たなにぎわい創出と発信事業費補助(現在のオレンジポート、アーツとは別に、例えばダンスユニットなど新たに、公募による二団体への補助)。
 ▽中心市街地再生事業(新規。11、000千円)=都市再生整備計画、中心市街地再生計画の策定。
 国の補助を受けて行ってきた中心市街地活性化基本計画が二十六年度末で終わるのを受け、中心市街地活性化を新たな手法で考えようという市単独事業。
 ▽まちなか居住推進(同。6、500千円)=駅周辺への都心居住促進のための計画策定。
 定住人口拡大に向け、高齢者に住みやすい環境を考える。二十五年度に必要な調査を行ってきており、二十六年度に計画を立てる。
《沼朝平成26年2月7日(金)号記事抜粋》

検証14年度予算案 沼津市(上)

 検証14年度予算案 沼津市(上)
 中心市街地の再生
 生活機能高め定住促進
 沼津市は2014年度予算案に、中心市街地の再生と、子どもの学力向上に向けた独自の取り組みを新規事業として盛り込んだ。ともに市の将来に関わる大きなテーマ。現状と課題を追った。
 「ここで商売を続ける方が良いのか迷っている」ー。2月初旬、JR沼津駅南口に近い添地町で飲食店を営む男性(58)は、色あせた店の看板を見上げながら、つぶやいた。
 添地町は、JR沼津駅付近鉄道高架事業を前提とした区画整理が計画されている。だが、高架化工事が始まらないため、区画整理はなかなか進まない。「いつ始まるか分からない区画整理を待って店を建て替えるより、引っ越した方が良いのか。決断できない」
 悩みの種はもう一つできた。沼津駅から約2・5㌔離れた市街化調整区域に浮上した大型商業施設「ららぽーと」の進出計画だ。
 市は昨年、市街化調整区域の開発規制を緩和する方針を打ち出し、ららぽーとの進出計画の推進を表明した。市外からも客を呼び込める新スポットの誕生は新たな民間投資の呼び水になる可能性を秘めている。しかし、「買い物客がみんな郊外に行ってしまい、駅周辺がさらに衰退してしまうのでは」と懸念を口にする中心街の商店主は多い。
 こうした声に栗原裕康市長は「あくまで中心市街地と郊外の活性化の両立を目指す」と強調する。14年度予算案では、中心街の再生と居住促進を目指して新たな計画を作成する。
 昨年の西武沼津店の閉店が物語るように、中心街の集客力は低下している。一方で、生活の利便性を重視して中心街に居住を求める人が増えている。実際、市全体の人口は10年間で約7600人減少したのに対し、添地町を含む第一地区は約600人増加した。
 市都市計画部の高橋強部長は「都心居住のニーズは確実にある」とし、中心街の役割を「集客」から「定住」へと軸足を移す考えを示す。新しい中心街を形にするには、商業や医療、公共機関など生活に欠かせない機能の整備も求められる。(東部総局・豊竹喬)
《靜新平成26年2月7日(金)「検証14年度予算案」》

2014年2月6日木曜日

旧西武沼津店本館の跡地

 旧西武沼津店本館の跡地
 伊豆箱根鉄道 広場と賃貸暫定活用へ
 伊豆箱根鉄道は5日、同社が所有するJR沼津駅前の旧西武沼津店本館(沼津市大手町〉の跡地利用について、駅前のにぎわい創出の広場と事業用賃貸物件として、今夏から暫定的に活用していく方針を発表した。同社は建物を解体中で、3月末で終了する予定。
 同社によると、暫定活用では、地元からの要望を考慮して駅前広場として利用できるようにする。事業用賃貸物件については民間企業と調整をしているという。本館跡地の面積は831平方㍍。中心市街地活性化に向け、行政などと連携して検討を進め、本格的な活用方法を決定していく。
《靜新平成26年2月6日(木)朝刊》

沼津市新年度予算案


沼津市新年度予算案
人口対策や防災に重点
 市長「堅実に活力再生」
 沼津市が5日発表した2014年度当初予算案は、深刻化する人口減少への対策を念頭に置いた中心市街地の再生や、防災対策の充実を重視した。栗原裕康市長は記者会見で、市北西部への大型商業施設ららぽーと進出計画などを挙げ、「明るい兆候も表れ始めている。堅実に、沼津の活力再生を目指す」と述べた。
 中心市街地の再生については、従来の「交流型」から「定住型」を目指し、各種まちづくり計画の策定に取り組む。中心市街地に医療や商業などの機能を整備し、居住空間の創出につなげる。JR沼津駅前の西武沼津店本館跡地(大手町)の広場機能を活用した民間の活動も支援する。
 防災面では津波対策を強化する。避難路沿いのブロック塀除去費用の全額補助や、津波避難ビルへの外階段や手すりの設置補助などを行う。沼津港に近い同市本・地区には、平時に市民の憩いの場として利用できる人工築山を建設する。
 栗原市長は「東日本大震災から3年近く経過し、防災意識が薄れつつある。築山を震災の教訓を忘れないためのシンボルにしたい」と話した。

 「ぬまづの宝推進課」新設
 市のPRや集客強化
 沼津市は2014年度、市のPRや集客に向けたシティープロモーションを専門に行う「ぬまづの宝推進課」.と、新市民体育館の建設が予定されている香陵運動場(御幸町)周辺の整備に向けた「中心市街地整備企画室」をそれぞれ新設する。
 ぬまづの宝推進課は、地域資源「ぬまづの宝100選」の普及・啓発や、市内での映画撮影などを支援するフィルムコミッション事業などを通じて、沼津を全国に売り込む。これまで企画部や産業振興部の関係各課が個別に受け持つていた取り組みを一元化することで事業の効率化、戦略化を図る。栗原裕康市長は「2020年の東京五輪に向けた情報収集も行いたい」と話した。
 中心市街地整備企画室は、新市民体育館や、建て替えが検討されている市営香貫駐車場などの一体的整備を計画する。新市民体育館の予定地に隣接する市民文化センターとの機能連携も強化する。
《靜新平成26年2月6日(木)朝刊》

2014年2月5日水曜日

鉄道高架の関連予算計上

鉄道高架の関連費計上
 沼津市予算案事業進展に準備
 沼津市は5日発表した2014年度当初予算案に、県が事業主体のJR沼津駅付近鉄道高架事業の関連予算として13億1100万円を計上した。川勝平太知事が貨物駅移転の見直しに言及し、事業が事実上ストップしてから丸4年。市はその間も新貨物駅用地の取得費の計上を続けている。担当者は「事業がいつ動き出しても対応できるよう準備するしかない」と説明する。
 関連予算には、市土地開発公社が先行取得した新車両基地などの用地の買い戻し、地権者への移転補償、未買収の新貨物駅用地の取得費などを盛り込んでいる。
 新貨物駅用地の取得率は、知事が初当選した09年以降、約70%で止まっている。10~13年度、用地取得費として計上した予算は計約20億円に上るが、ほとんど使われていない。
 高架化をめぐって住民参加型の合意形成作業(パブリックインボルブメント=PI)で事業の方向性が議論されたが、道筋は定まらなかった。川勝知事は、ことし7月を期限に沼津市やJR貨物、推進派、反対派の住民との合意形成を目指す方針を示している。
 市幹部は「一日でも早く今の状況を打開したい。貨物駅移転が決まり次第、土地取得に向けて補正予算を組むなど迅速に対応する」と話している。
《靜新平成26年2月5日(水)夕刊》

沼津市新年度予算

一般会計706億5000万円
 沼津市新年度予算案
 沼津市は5日、2014年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比4・4%増の706億5千万円で、特別会計と企業会計を合わせた総額は6・2%増の1423億2800万円。政策的経費は防災や中心市街地再生、にぎわい創出などの課題に対応する事業に予算を重点化し、市の将来設計を図る。
 一般会計は、消費税率引き上げに伴う国の臨時福祉給付金や、駿東伊豆地区消防広域化に向けて構成7市町が拠出した負担金なども計上したため、「実質的な伸び率は1・9%」(財政課)。
 歳入の柱となる市税は1・4%増の353億円。個人市民税は2・0%減の115億1700万円を見込む。法人市民税については輸出関連の一部製造業の業績回復を予測して22・3%増の31億9400万円とした。財政調整基金から2億2千万円を取り崩し、市債71億円の発行などで財源不足を補う。自主財源比率は58・7%(0・6ポイント減)。
 重点化した防災関連事業は、人工築山の建設や津波避難路沿いのブロック塀撤去の全額補助などを盛り込み、30億4千万円。中心市街地の再生やまちの魅力創出には、今夏オープンする総合コンベンション施設プラサヴェルデ周辺整備や、沼津駅周辺への居住促進を図る計画策定などに1億6千万円を充てる。
《靜新平成26年2月5日(水)夕刊》