2015年11月7日土曜日

「伊藤ハム米久HD」に 4月経営統合

「伊藤ハム米久HD」に
 4月経営統合 社長に宮下氏
 来年4月に経営統合する食肉加工大手の米久と伊藤ハムは6日、取締役会をそれぞれ開き、両社が設立する共同持ち株会社の社名を「伊藤ハム米久ホールディングス(HD)」と決めたと発表した。
 持ち株会社の社長には米久の宮下功社長が就任する。今年9月に経営統合を発表した際、持ち株会社の社長に就任予定とした伊藤ハムの堀尾守社長は会長に就く。伊藤ハムの東京事務所がある東京都目黒区に本社を置く。
 伊藤ハムと米久の筆頭株主はいずれも三菱商事。来年4月から子会社になる米久の社長には宮下社長と同じ三菱商事出身の伊藤ハムの御園生一彦取締役常務執行役員食肉事業本部長が就任する。両社は来年126日に臨時株主総会をそれぞれ開き、経営統合に関する議案を提出する。
 両社は経営統合により、生産、物流の効率化を図り、販売、収益ともに拡大を目指す。共同持ち株会社の経営方針や計画、業績見通しなどは今後、検討していく。

【静新平成27117()朝刊】

2015年10月10日土曜日

商店街補助金の県版制度求める 県商連、県振興連

商店街補助金の県版制度求める
 県商連、県振興連
 県商店会連盟連合会(鈴木利明会長)と県商店街振興組合連合会(増田恭子理事長)9日、商店街のにぎわいづくりを後押しする県版の補助金制度の創設など、地域商業を支援する4項目の要望書を県に提出した。
 県版の補助金制度は、地域コミュニティーの担い手として商店街が取り組むにぎわいイベントや情報化などのソフト事業への支援を求める内容。国が2012年度と13年度の補正予算に盛り込み、ニーズが高かった助成事業の後継策として要望した。「年間販売額や就業人口など本県産業で商業部門が占める位置付けは小さくない」とし、商店街振興の予算拡充も求めた。
 鈴木会長と県商店街振興組合連合会の川辺哲副理事長らが県庁を訪ね、篠原清志経済産業部長に要望書を渡した。

【静新平成271010()朝刊】

2015年6月24日水曜日

沼津市 新市民体育館建設着工目標示す

駐車場18年度、体育館19年度
沼津市 新市民体育館建設着工目標示す
 市役所隣接地

 沼津市は23日の市議会6月定例会建設水道委員会で、市役所の隣接地への新たな市民体育館と駐車場の建設について2018年度に駐車場、19年度に市民体育館の建設着工を目指す計画を明らかにした。「香陵公園周辺整備の基本的な考え方」を公表し、現状で考える整備イメージ図も示した。
 「基本的な考え方」によると、新市民体育館の建設予定地は香陵公園(運動場)。市役所近くにある香貫駐車場(立体、駐車可能台数202)と香陵駐車場(平面、同157)を取り壊すなどして、計約650台の駐車可能な新たな立体駐車場と平面駐車場を用意する。新市民体育館と新駐車場整備は、民間アイデアを生かすPFI(民間資金を活用した社会資本整備)の手法を導入し、事業の効率化やサービスの質向上などにつなげる考え。
 委員会で市の担当者は、民間事業者の提案によって整備内容や事業スケジュールなどが変わる可能性を強調した上で、17年度に事業者と契約し、新駐車場は19年度、新市民体育館は21年度の供用開始が目標と説明した。市議から工事に伴って香貫駐車場を壊した際、完成までの代替駐車場について質問が上がると、「香陵公園を仮設駐車場に考えている」と述べた。

【静新平成27624()朝刊】

2015年3月19日木曜日

沼津地価公示概況



駅北側の宅地は安定 沼津
 商業地は24%の下落。JR沼津駅周辺は総合コンベンション施設プラサヴェルデが全面開業したが、「影響は限定的」と不動産業者。「鉄道高架化の完成時期など明確な見通しが分からず、思い切った投資ができない状況が続いている」。一方、郊外のまとまった土地は需要がある。
 住宅地は19%の下落で、沿岸部は依然として動きが鈍い。価格が安定している沼津駅北側の売買事例は北高島町15万円、岡宮11万円など。市西部は東名、新東名高速道のスマートインターチェンジ設置計画などが好材料で、原町中で10万円前後の取引があった。

(静新平成27319日朝刊)

2015年3月17日火曜日

沼津市異動 企画部長に後藤氏

 沼津市異動 企画部長に後藤氏
 昨年上回る規模

 沼津市は16日、41日付の人事異動を内示した。異動は728人で昨年(700)より規模は大きい。部長級の退職者は4人。
 一般行政職のうち、係長級以上の女性職員の登用率は168%で昨年より03ポイント上昇した。
 企画部長には政策企画や広報などの業務に精通している後藤克裕企画部政策企画課長が昇格する。若林直毅企画部長は、政策全般を統括し、調整を図る企画部理事に就く。産業振興部長に産業振興部農林農地課長の経験がある光林治都市計画部計画課長を充て、建設部長には土木建設の現場を幅広く歩んできた木内一元農林農地課長を起用する。
【部長級】企画部理事(企画部長)若林直毅▽生活環境部長(教育委員会事務局教育次長)工藤浩史▽企画部長(企画部政策企画課長)後藤克裕▽産業振興部長(都市計画部計画課長兼中心市街地整備企画室副参事)光林治▽都市計画部参事監兼沼津駅周辺整備事務局長(都市計画部沼津駅周辺整備事務局長)梶茂美▽建設部長(産業振興部農林農地課長兼農業委員会事務局長)木内一元▽監査委員事務局長(市民福祉部福祉事務所長)真野みどり▽教育委員会事務局教育次長(教育委員会事務局教育企画室長)井原正利

(静新平成27317日朝刊)

2015年3月13日金曜日

沼津の鉄道高架事業 用地交渉は難航必至

沼津の鉄道高架事業 用地交渉は難航必至
 具体的な将来像示して

 県と沼津市が、約5年間止まっていたJR沼津駅付近鉄道高架事業の推進に向けて動き出した。高架事業に伴う貨物駅移転の用地となっている同市原地区の土地をめぐって、今後は本格的に反対地権者との交渉に入るが、難航は必至とみられる。県東部の発展のために必要な事業と推進を決めた以上は、速やかに具体的なまちの将来像を示すべきだ。
 鉄道高架事業は20101月、川勝平太知事が推進派、反対派が集まった意見交換会で、見直しに言及したことで事実上、中断した。再び動いたのは147月。知事が沼津駅前に整備された総合コンベンション施設の全面開業記念式典後に、事業の推進を明言した。2カ月後の県議会9月定例会では、原地区に平時は待避機能を主とする最新式貨物ターミナルを整備する考えを述べた。今年1月には難汲喬司副知事と栗原裕康市長が、市民向け説明会で事業推進の決意をあらためて示した。
 今後の焦点は、反対地権者との交渉の行方だ。用地取得率は現在744%。残り47人の地権者から計24㌶の土地を買収する必要がある。市は15年度当初予算案に未買収地の取得費として、前年度比約7千万円増の約15千万円を計上した。2月上旬からは地権者の個別訪問を開始し、用地交渉に入るタイミングをうかがっている。
 ただ、構想から30年近く経過し、市を取り巻く社会情勢は変化した。市の人口減少は深刻で、転出者が転入者を上回る転出超過は13年が全国市町村でワースト6位、14年もワースト7位となっている。市民からは今後の財政状況を懸念する声も上がる。市には事業のメリットや長期の財政計画を丁寧に説明する姿勢が求められる。
 栗原市長は現在の貨物駅と車両基地が移転することで「駅周辺に自由に使える土地が生まれる」と力説するが、具体的な活用案は示されていない。明確なまちの未来図が見えないままでは反対地権者のみならず、多くの市民の理解も得にくいだろう。
 反対地権者は「土地を売らない」という姿勢を崩していない。交渉が難航するのは避けられない。たとえ着工に至っても完成までに長期間を要する。
 鉄道高架だけで約800億円の費用がかかる巨大事業で、その大半は税金が投入される。県東部の将来に影響する問題であるにもかかわらず、市内外で関心が高まっているとは言えないのは、完成の見通しが全く立っていないからではないか。県や市は、まず用地買収の期限や着工時期などを明示した工程表をつくり、公表する必要がある。
(東部総局・田村和資)

(静新平成27313日「解説・主張SHIZUOKA」)

2015年2月18日水曜日

鉄道高架化推進を県に沼津市長ら要望

 鉄道高架化推進を県に沼津市長ら要望
 JR沼津駅付近鉄道高架事業を推進する沼津駅付近鉄道高架建設促進期成同盟会(会長・栗原裕康沼津市長)などの代表者がこのほど、川勝平太知事や多家一彦県議会議長に宛てた要望書をそれぞれ提出し、事業の進展を求めた。
 県庁を訪れたのは、栗原市長のほかに、沼津駅の高架化を実現する市民の会会長の市川厚沼津商工会議所会頭、同市議会沼津駅鉄道高架事業推進特別委員会の浅原和美委員長ら。難波喬司副知事らと相次いで面談し、要望を伝えた。
 要望書は「高架化を前提としたまちづくりが進んでいる」「県東部の中核都市として発展するために必要不可欠」などとして、一層の推進を求めている。
 事業をめぐっては、県と市が1月末に市民向け説明会を開催するなどし、事業推進の方針を打ち出している。

(静新平成27218日朝刊)

2015年2月14日土曜日

沼津駅鉄道高架 効果示し市民の理解を:静新社説

静岡新聞社説
 沼津駅鉄道高架 効果示し市民の理解を
 静岡県と沼津市は、沼津駅付近鉄道高架事業について市民向けの説明会を開き、推進の方針を明らかにした。川勝平太知事が見直しに言及し、事業がストップしてから5年がたつ。鉄道高架への市民の期待や関心が時間の経過と共に低下している感は否めない。鉄道高架事業費は約800億円。市の人口減少や財政難が続く中、巨額の公費を投入して鉄道高架事業を進めるからには、事業のメリットや投資効果をあらためて示し、市民の理解を得る必要がある。
 沼津駅近くにある貨物駅の移転用地を原地区に確保できない限り、高架事業の本体工事には着手できない。沼津市は2015年度当初予算案に、原地区の未買収地の取得費として前年度比約7千万円増の約15千万円を計上した。原地区に現地事務所を再び開設するための費用も盛り込み、用地取得に本腰を入れる姿勢を見せている。
貨物駅移転用地の取得率は現在、744%。買収に必要な土地は残り24㌶で、地権者は47人。これまで土地を手放さなかった人たちなので、用地買収は難航が予想される。ただ用地交渉は期限を明確に設け、着工を先に延ばさない工夫が必要だ。
 沼津市の人口はこの5年で1万人減少し、20万人台を辛うじて維持している状況だ。総務省によると、転出者が転入者を上回る転出超過は、13年が全国市町村でワースト6位、14年もワースト7位。栗原裕康市長は、都市機能を高めるごとが人口減少対策の一つとなり、そのためにも鉄道高架は必要だと訴えるが、完成時期の見通しを示せなければ、説得刀を欠くだろう。
 鉄道高架を核に、駅の南北を一体化した中心街づくりを目指す沼津駅周辺総合整備事業として、総合コンベンション施設「プラサヴェルデ」や再開発ビル「イーラde」が既に開業した。一方で駅前の西武沼津店が閉店したほか、郊外には大型商業施設の進出計画が明らかになるなど、中心街を取り巻く環境は大きく変わってきている。
 移転する貨物駅と車両基地の跡地利用も決まっていない。推進の方針を決めた今、事業の意義と効果に加え、地域の将来図もはっきりと市民に示すべきだ。長期の財政計画も分かりやすく説明する必要があろう。
 県と沼津市は、貨物駅移転計画に伴い、原地区住民に地域振興のためのまちづくりを支援する考えを伝えている。県は線路をまたぐ立体横断デッキの設置を提案しているが、住民の要望をしっかりと聞いたのか。今こそ地域の将来に向けて、アイデアや意見を出し合う好機になるはずだ。

(静新平成27年2月14日朝刊)

2015年2月13日金曜日

沼津鉄道高架化「推移を見守る」 JR貨物社長

沼津鉄道高架化
「推移を見守る」 JR貨物社長
 JR貨物の田村修二社長は12日の会見で、JR沼津駅付近鉄道高架事業をめぐり、県と沼津市が同市原地区への貨物駅移転を推進する方針を示したことに、「静かに推移を見守りたい」と語った。
 県と同市は129日に市民向け説明会で、同市原地区に最新式貨物ターミナルを整備し、高架事業と貨物ターミナル整備を推進する方針を示している。

(静新平成27年2月13日朝刊)

2015年1月30日金曜日

沼津駅高架  県、市説明会

沼津駅高架  県、市説明会
 反対市民態度崩さず 推進求める声も
 難波喬司副知事と栗原裕康沼津市長が「新しいまちづくり」の手段としてJR沼津駅付近鉄道高架事業の必要性を訴えた29日の市民向け説明会。事業に反対する市民らは説明を聞いた後も、硬い姿勢を崩さなかった。
 事業をめぐっては、同市原地区の貨物駅の移転先用地の地権著らの間に反対の声が強い。市民グループ「さわやか沼津2012
の松下宗柏代表は「地権者は貨物駅の移転に反対している。(説明は)問題のすり替えであり地権者の思いを捉えていない」と話した。
 70代の男性地権著は「都合の良いことを言っているが、中身は何も変わっていない。こちらも態度を変えるつもりはない」。一方で「県がそれでもやるというなら仕方がない」とも話した。60代の男性地権者は「反対ではないが、市の財政負担への疑問が晴れない。計画をきちんと検証してほしい」と語った。
 一方、推進を求める声も上がった。既に貨物駅用地の土地を売却した70代の男性は「こんな分かりやすい説明はない。高架事業は沼津だけではなく県東部としても千載一遇のチヤンス。一刻も早く進めてほしい」と話した。
「沼津駅の高架を実現する市民の会」の会長を務める市川厚沼津商工会議所会頭は「なぜ高架事業が必要なのか副知事の説明は分かりやすくてよかった。きょうを節目に事業を進めていってほしい」と期待感を示した。

(静新平成27年1月30日朝刊)

2015年1月29日木曜日

高架事業で再び公開質問 さわやか沼津県の回答の疑問洗い出し

高架事業で再び公開質問
さわやか沼津県の回答の疑問洗い出し
 さわやか沼津2012(松下宗柏代表)は二十八日、県庁を訪れ、川勝平太知事宛ての公開質問状を県交通基盤部の増田和仁理事に手渡した。同会が昨年十一月二十八日に提出した公開質問状に対して十二月九日付で行われた回答について、疑問点などを洗い出し、改めて提出したもので、二月十日までの回答を求めている。
 同会では、今回の公開質問状提出にあたり、最近の川勝知事、難波喬司副知事の発言、同会に対する見方を批判し、意見一表明している。
 まず、知事が今月十三日の定例記者会見で、交通基盤部の沼津駅付近鉄道高架事業担当課長を同席させ、同会が「政治団体」であることを説明させた、と伝えられたことに、「知事の豹変ぶり」に「驚き」と「戸惑い」を感じたとし、「そもそも知事が事務方を定例記者会見に同席させて発言を促すこと自体、きわめて異例なことだと聞いている」としている。
その上で、同会は二〇一二年の沼津市長選で、公職選挙法に墓づき、高架事業見直しを訴えた候補者を支援するため、県選管に登録された団体であり、このことを隠すものではないこと、高架事業見直しを候補者に託した責任があること、さらに、県が行った意見聴取のPIに積極的に参加し、その際、県担当者も同会が県選管に登録された政治団体であるとの認識を持っていたはずであることを指摘。
 「今般、突然、これまでの信頼関係を反古にし、私どものような非力な市民団体について、常軌を逸した形で言及された。なぜ、このようなことをされたのか理解できない」とし、「今回の会見は、県民を萎縮させ、県民の県政参加を阻害する結果にもなる点で遺憾であり、川勝県政の変質を残念に思う」と表明している。
 一方、現貨物駅移転後の跡地に「サッカー場」、原の新貨物駅は「有事のターミナル」だとする知事発言、高架事業は「コンパクトシティ形成のため」などとする副知事発言に言及。
 「具体的計画や事業費についての裏付けがないまま『貨物駅移転、事業推進』へと世論を誘導しようと躍起になっている。合理性も整合性もないまま、なぜ、ここまで躍起になるのか疑問」だとする。
 とりわけ「コンパクトシティの形成のため」との理由付けには、「『沼津駅周辺の交通渋滞の解消』という理由が消滅するとみるや、取って付けたように言い始めたものであり、その目的のためには、むしろ高架は阻害物であり、『橋上駅十南北自由通路』で十分。工期も事業費も大幅に削減できる」と主張している。
 以上の考えを明らかにした上で、次のように尋ねている。
【事粟の公益性】①高架事業が「人口流出に歯止めをかける」ものであるとの回答に対して=それが可能となる根拠を示してほしい。仮に高架事業を始めたとして、長期の工事期間中、人口流出が続く。
 人口流出対策は、高架ではなく、雇用の場の確保など別の視点から取り組むべきではないか。
②高架事業の最大目的は「沼津駅付近三カ所のガードにおける交通渋滞を解消することで、その経済効果はきわめて大きい」とする回答に対して=現状でも既に、鉄道と道路は立体交差になっている。テレビやラジオの「道路情報」で当該個所の「交通渋滞」が報じられたことは、ほとんどない。
 現在では交通理境が変化していて、当初の事業目的は消滅し、投資額に見合う効果があるとは考えられない。
 計画時と現在の交通量の変化、人口減少を加味した将来予測から、投資効果算定についての具体的計数を示してほしい。
 ③「都市機能を集約した拠点地区を形成し」とする回答に対し=沼津駅周辺に、どのような機能の導入を想定しているのか。
 副知事や沼津市は、「高架事業によるコンパクトシティの形成」を唱えているが、具体性もなく、実現可能性に言及のない夢のようなことで、説得力がない。
 駅南北の自由通路と橋上駅整備によるコンパクトシティ形成の方が、工期短縮、経費節減ができ、費用対効果で勝る。南北自由通路と橋上駅では、なぜだめなのか、理由を示してほしい。
 ④回答が示したPIプロジェクトの記述に対して=PIプロジェクト四案に対する具体的評価が欠落している。「関係機関、関係者と意見交換の上意思決定」とあるが、このプロセスに明瞭性がない。
 PIプロジェクトは、透明性が重んじられ、公開の場で行われたものであり、四案の評価について、見解と意思決定の経緯を開示してほしい。
 ⑤「南北自由通路では問題解決できない」とする回答に対して=東静岡駅、清水駅、藤枝駅、袋井駅などでは自由通路の設置が進んでいる。沼津は「南北自由通路では問題解決できない」とする根拠を示してほしい。
 高架完成までの二十年以上の間、乳幼児、老人や障害のある人など交通弱者に現状の不便さを強いることを、どのように考えているか。
 【事業費】①沼津市のホームページによると、人口減少、事業所の転出が続くにもかかわらず、今後も税収が増えることを想定している。
 過去十数年間で商業販売、工業出荷額が減少。これに伴い法人市民税が激減し、従業員数も減って納税者の減少につながっている。遠くない将来において高齢者人口が生産年齢人口と、ほぼ同じになることが予測され、市民税収入の減少傾向が強まる中で、沼津市の税収が増加するとする根拠を示してほしい。
一方で、高齢者増加による福祉民生費の増加、公共施設の維持管理費が急増するという要素が織り込まれておらず、大型事業を前にして沼津市の財政見通しは、ずさんで甘いものとなっている。きちんと評価する意向はないか。
 ②PI資料によれば沼津駅周辺総合整備事業の全体事業費一、九九八億円のうち、国の負担七六四億円(三八%)、県の負担三四三億円(一七%)、市の負担七四〇億円(三七%)、その他の負担一五一億円(%)となっているが、国の公共事業予算の優先配分は東日本大震災復興だとされており、高架事業への配分は縮小延長され、工事が延々と続くことが予想される。
 沼津市の事業費の大部分は市債の発行でまかなわれるため、銀行利子が加算されて、大幅増額となる。県は、国や市の事業負担分を肩代わりする覚悟はあるのか。
 【貨物駅の原地区移転について】①原の新貨物駅は「荷役作業施設のある貨物駅でも荷役作業が少なく、実質的には待避線」だとする回答に対して=詭弁である。地権者達は、貨物駅の使用目的を問題にしているのではなく、大切な土地を貨物駅用地にされること自体を問題にしている。今後も詭弁を続けるつもりなのか。
 ②「環境負荷のない貨物駅」「静かな貨物駅」だとする回答に対して=そんな駅は存在せず、これらの詭弁も続けるつもりか。 
③「有事の際の拠点」だとする回答に対して=震災へは一刻も早く対応すべきだが、東日本大震災でも分かるように、鉄道は地震や津波に対して脆弱(ぜいじゃく)であり東海地震の震源域内にある鉄道貨物駅が防災拠点となりえないと考える方が常織的。拠点整備を急ぐのであれば、現沼津貨物駅を改良して対処する方が、工期も経費も大幅に削減できる。
 なぜ、現征の沼津貨物駅でなく、原地区移転に固執するのか、理由を明らかにしてほしい。
 ⑤移転用地の地権者は現在、(既に買収した土地の所有者である)沼津市と、「貨物駅に土地を売らない」地権者の二者。
 約四十軒の反対地権者達は意思も結束も強固で、協力はもちろん、切り崩しも不可能。「強制収用」も現状では無理があり、本体事業の見直しにより貨物駅移転を変更することが残された選択肢だと思うが、どうか。あるいは「説得失敗。強制収用準備」という沼津市の轍を踏むつもりなのか。
(沼朝平成27129日号)