2013年9月16日月曜日

旧西武沼津店跡地 中心街の核へ再生急げ

旧西武沼津店跡地 中心街の核へ再生急げ
 ことし1月末に閉店したJR沼津駅南口の旧西武沼津店の新館は、複合商業施設の運営などを手掛ける浜松市の企業が娯楽施設、飲食店、物販店などが入る商業施設として再生する計画を示した。本館は所有者の伊豆箱根鉄道がビルを解体し、跡地の活用を検討していく。
 西武沼津店の閉店は全国の地方都市で進む中心街の衰退を象徴する出来事だが、閉店から半年余で新館再生の方向性が示されたのは、沼津駅前の集客力がまだまだ期待されている証しといえよう。
 経営破綻から十数年が過ぎた浜松市中心街の旧百貨店「松菱」跡地は、現在も利用のめどが立たっていない。沼津は玄関口に明かりが灯らない無人ビルが立ち続けることはなくなった。これを好機と捉えたい。関係者は跡地が中心街の核になるよう、スピード感を持って整備、開発を進める必要がある。
 新館は本年度中の開業が予定されている。かつての百貨店が、パチンコ店が入る複合商業施設に様変わりすることに難色を示す声もあるが、再生計画を示した浜友商事は、パチンコ店はテナントの一つと位置付け、駅前のランドマークにふさわしい施設にすると目標を掲げている。
 地元の商店街は新館のシャッターが再び開くことを歓迎している。商店街との共存共栄を目指し、浜友商事は幅広い世代の集客を見据えたテナント誘致に努めてほしい。
 伊豆箱根鉄道は本館の解体後の活用については行政など関係者と協議を続け、中心街の活性化につながる活用を検討していく。ただ本館の土地面積は約880平方㍍で、誘客効果を生む施設整備には不十分だ。限られた空間の効果的な活用に知恵を絞るのもいいが、むしろ周辺ビルと一体となったスケールの大きな再開発を求めたい。
 共同の再開発にはビル所有者それぞれに事情もあろう。だが、県東部の商都復活を目指すならば既成概念を取り払い、英断を持って10年、20年後もその時代の先端を走っているような再開発を目指すべきだ。沼津市や沼津商工会議所には協議の場を設けるなど後押しをしてもらいたい。
 中心街再興の鍵を握る鉄道高架化の先行きは、いまだ見えない。ただ高架化にしろ、代替案の橋上駅化にしろ、多くの市民は、鉄道で分断された南北を直結する必要性を強く感じている。
 総省コンベンション施設プラサヴェ,ルデの整備が進む沼津駅北口は、徐々に活気付いてきた。南北がつながった時、南口が元気がないままでは相乗効果は決して生まれない。

《静新社説 <2013 .9="">

0 件のコメント:

コメントを投稿