2014年9月4日木曜日

4次総修正で審議会委員が意見

4次総修正で審議会委員が意見
コンパクトシティの姿、具体的に求める

 市の総合計画審議会(会長=千谷基雄・日大国際関係学部特任教授)の第2回が市民文化センターで開かれた。栗原裕康市長が第4次総合計画(4次総)の一部追加修正を審議会に諮問。今回は第1回で出た意見により修正、加筆された内容が示されたが、さらに今回出た意見を受けて一部修正した上、これに対するパブリックコメント(市民意見の募集)を今月下旬から十月下旬まで行う予定。

 期間途中での検証求める声
 ららぽーと出店時の交通対策に疑問も
 全体として審議会に諮られた内容が大きく変更されることはないが、市立病院東側へ進出計画のある、ららぽーとについて、市側から、付近の交通量の変化に公共交通機関で対応する考え方が示されたのに対して、委員からは「バスで対応できると本気で考えているのか」と厳しい指摘を受けている。
 第1回では、4次総の基本構想中、「都市のかたち」について、コンパクトシティに対する考え方を明確にするための九項目にわたる「追加修正の考え方」を示す一方、基本計画において「土地利用の新たな方向」を加える予定で、次のような各項目を示した。
 現状と課題沼津市は、これまで、都市計画法に基づき、厳格な規制のもと、土地利用を推進し、都市の秩序ある形成を導いてきた。そのような中、近年、新東名高速道路が開通し、今後も東名愛鷹スマートインターチェンジや新東名駿河湾沼津スマートインターチェンジ、国道や県道等の幹線道路の整備により、交通利便性のさらなる高まりが期待されている。
 また一方、南海トラフ巨大地震をはじめ、いつ起こるか分からない大地震・大津波に備え、新東.名高速道路などの新たなインフラを活かして、静岡県第4次地震被害想定を踏まえた防災機能の強化が急務となっている。
 今後、拠点都市にふさわしい、.にぎわいと活気に満ちた、安全・安心に暮らせる都市空間の形成を図るためには、これまで蓄積してきた都市機能の集積を土台として、土地のさらなる利活用が求められる。しかしながら、本市の市街化区域は、土地利用が進んでいるために、新たに一体的な開発が可能となる用地の確保は困難な状況にある。
 これらの現状と課題を踏まえ、広域交通環境の整備が予定されている市街化調整区域についても、「都市のかたち」と整合を図りつつ、また土地利用の現状も踏まえながら、より柔軟で効果的な土地利用を促進し、積極的にまちづくりを進めていく必要がある。
 土地利用の新たな方向
 交通環境が向上して新たな土地利用が見込まれる地域では、事業者や地権者のニーズを捉え、連携を図りながら、地域産業の活性化が図られるよう企業立地しやすい環境整備を進める。
 基本槽想について第2回審議会では、前回の委員の発冒を踏まえて、次のような加筆の内容が示された。
 「本市の都市構造を明らかにし、それぞれの地域の役割に応じた目指すべきまちづくりを進めていく。本市は沼津駅を中心に商業や業務機能、教養・文化施設などの機能が集積し本市のみならず県東部地域における経済的・都市的活動の中心的な役割を担ってきた」
「近年、駅前大型店の撤退による中心市街地の衰退や広域拠点性の相対的な低下が進んでいる」
「沼津駅周辺を中心に『地域核』同士を結びつけるため、公共交通を基本とする交通利便性を高め、一体的なまちづくりを進める」など。
 意見交換に入ると、委員の大田紀人・沼津市中,心市街地活性化協議会未来創造部会部会長は、「沼津版コンパクトシティとは、どんなものであるのか…。曖昧な言い方をしていると落としどころが分かりづらいので、進むべき方向性をしっかり見据えた上で明記してほしい」と発言。 また、「中心市街地に行政機関を持っていくとか、一歩踏み込んだところまで具体的に盛り込んでほしい。もう少し審議(の時間)が必要だ」とした。
 市川厚・商工会議所会頭も「今の段階で、具体的にどうするのかを書いていただきたい」と求め、市政策企画の後藤克.裕課長は「総合計画に記載するのは難しい。来年で前期五力年が終わり再来年から後期五カ年が始まるので、後期推進計画には示していきたい」と答えた。
 市川委員は「(総合計画は)市の最上位の計画だが、市の行政の大局的なものが示されているような、示されていないような。審議会委員の発言は、かなり具体的な内容を網羅している。皆さんが言ったことを(行政は実行)できるのか。できないものもあるはずだが、先ほどの文章では全部できるようになっている。もう一度、提案した人の意見を聴いて、六年後には『こうなった』というものを検証してほしい。民間は三年おきにそういうことをやる」と求めた。
 これについて千谷会長は「システムとしてチェックするということは、(文章の)どこかで入れてもいい」と事務局へ投げ掛けた。
 野坂周子・国土交通省沼津河川国道事務所長は「ららぽーとが出来た時に、バス交通で対応しようとしていることに大いに疑問を感じている。子どもを連れてマイカーで行くのに、どう対応するのか。交通の(流れに)変化が起きた時、どう対応するのかを球を投げておかないと」などと問題点を指摘した。

(沼朝平成2694日号)

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