2019年9月4日水曜日

沼津鉄道高架 土地収用裁決申請へ 知事と市長が合意




沼津鉄道高架
 土地収用裁決申請へ
 知事と市長が合意
 JR沼津駅付近の鉄道高架事業の前提となる貨物ターミナル移転用地の取得を巡り、頼重秀一沼津市長と川勝平太知事が3日、県庁で会談し、今月中旬にも県収用委員会に未買収用地の権利取得と明け渡しに向けた裁決を申請することで合意した。会談後、頼重市長が取材に応じて表明し、川勝知事も支持する姿勢を示した。収用委への申請は20日が期限で、申請はその直前になる見通し。
 期限直前提出見通し 非公開で約15分間、会談した後、頼重市長は「(収用委への裁決申請の)期限が決まっているので、間に合うように調整し提出する」と述べた。ただ一方でコ最後の最後まで地権者に対してしっかり説明し、任意契約ができるように努める」とも述べ、申請後も交渉を続ける姿勢を強調・した。
 川勝知事は取材に「頼重市長の姿勢を尊重する」とした上で「市長の誠意、皆さんの町のためにやっているのだということが伝わると信じたい」七述べた。
 頼重市長は13日の市議会9月定例会の本会議終了後に、改めて申請への意向を示す予定。川勝知事も17日開会の県議会9月定例会本会議で正式表明するとみられる。
 貨物ターミナル用地の地権者のうち、買収に応じていないのは8月末時点で8人。用地取得率は942%で、計5334平万㍍が未買収となっている。市は申請後も買収に向けた交渉を継続するものの、最後まで取得できない用地については、収用委の裁決を得て強制収用の手続きに踏み切るとみられる。
〈静新令和194日(水)1面〉

裁決申請へ県と市「腹くくる場に」
知事と沼津市長会談 高架、新たな局面
 JR沼津駅付近の鉄道高架事業の前提となる貨物ターミナル移転用地の取得に向け、県と沼津市は3日、土地収用に向けた裁決を県収用委員会に申請することで合意、硬直状態にあった高架事業は新たな局面を迎えた。地道な買収交渉により2017年末時点で33人だった未買収用地の地権者を8人まで減らしたが、今月20日となっている裁決申請の期限が迫り、申請に踏み切る方針を決めた。
 頼重秀一沼津市長が川勝平太知事との会談のため、知事室に入ったのは午後4時半。非公開だったが、知事室の扉を開けたまま向き合い、2人とも厳しい表情で話し合った。約15分後、収用委への申請で合意した。
 収用委への裁決申請は、用地が買収できない場合、最終的に強制収用につながることを意味する。県関係者によると、川勝知事と頼重市長は会談で「裁決申請」という言葉はあえて使わず、事務局が今後の手続きの流れを説明したのに対して、おおむね了承する形で合意したという。
 県と市は、川勝知事と頼重市長の会談を裁決申請へ「腹をくくってもらう場」(県幹部)と位置付け、1カ月以上前から担当者が綿密に打ち合わせしてこの,日を迎えた。事業の反対派や買収に応じていない地権者にも説明を繰り返し、最後まで理解を求めてきたという。
 川勝知事は、未買収用地の地権者が8人になったことについて「よくここまで来た。残りの人(地権者)は固有名詞で分かって
いる人」と指摘。頼重市長は「今日まで反対した方々には、それぞれの立場や思いがある。理解してもらえるように説明するのが責務」とし、任意交渉を続ける姿勢を強調した。
〈静新令和194日(水)4面〉

 沼津高架化収用申請へ
 「大きな歩」「同忌なし」
 関係者、歓迎と非難
 JR沼津駅付近鉄道高架事業の貨物ターミナル移転用地の取得に関し、県と沼津市が土地収用の裁決申請を行う方針で一致したことについて、事業推進に取り組んできた関係者からは歓迎の声が上がった。買収に応じていない地権者は、同意のないままの土地収用の手続きを進める県と市の姿勢を批判した。
 沼津駅の高架化を実現する市民の会の市川厚会長は「長年掛かったが、ここまでたどり着いて良かった。多くの人のおかげと感謝している」と振り返る。沼津大手町商店街振興組合の松田和孝理事長は「大きな一歩。新しい沼津に生まれ変わるスタートになる」と受け止めた。中心市街地の衰退が目立つだけに「まちづくりがどう進むのか期待したい」と将来を見据えた。
 市議会沼津駅鉄道口同架事業推進特別委員会の浅原和美委員長は「頼重秀一市長が真摯(しんし)に地権者と対話してきたことが実を結んだ」と評価する。ただ「反対地権者の思いを否定することはできない。今後も丁寧に訪問を続けなければいけない」と注文した。
 原貨物駅に土地を売らない地権者の会の久保田豊会長は「昔から守ってきた土地を簡単には手放せない。公権力を使って取り上げるというなら、県や市は笑いものになる。(事業認定の無効確認を求めた訴訟とは)別の形で思いを訴えることも考えたい」と憤った。反対地権者の殿岡修元市醒「(巨額の費用がかかる鉄道高架事業を)健全財政で実施できるのか疑問。市民に負担を強いる可能性があるのに、許してはいけない」と述べた。
〈静新令和194日(水)29面〉

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